パナソニックグループは3月10日、2027年度の新卒採用方針を発表し、大学・大学院の技術系採用における学校推薦制度を廃止すると明らかにした。技術系も事務系と同様にすべて自由応募とし、多様な人材の採用を強化する。

  • パナソニックグループの2027年度の新卒採用は約1100人

    パナソニックグループの2027年度の新卒採用は約1100人

技術系採用の学校推薦制度を廃止

技術系採用では大学から企業へ学生を推薦する「学校推薦」が長く利用されてきたが、近年は採用の自由度を高める企業も増えている。

注目すべきは、2027年度大学・大学院技術系新卒採用より学校推薦制度を廃止し、自由応募とする点。

技術系学生の採用では、大学や大学院の教授推薦や学校推薦枠が一般的だった。

2027年度の新卒採用は約1100人

2027年度の新卒採用計画は、合計約1,100人の予定。内訳は、大学/大学院卒が約800人、高校/高専卒が約300人となっている。これらは、パナソニック ホールディングス、パナソニック、パナソニック HVAC & CC、パナソニック エレクトリックワークス、パナソニック ハウジングソリューションズ、パナソニック コネクト、パナソニック インダストリー、パナソニック エナジー、パナソニック オペレーショナルエクセレンスの新卒採用計画数を合算したもの。

前年度の計画は大学/大学院卒が約900人、高校/高専卒が約400人であり、前年比で約200人減ったことになるが、前年度と計画に含まれている企業のラインアップが異なるので一概に比較はできない。

多様な人材確保が背景

同社は、学校推薦廃止の狙いとして、専門分野・バックグラウンド・文化の異なる学生が広く挑戦できる機会を提供し、変革を支える多様な人材を獲得すること、学校推薦枠にとらわれず、学生がキャリアを主体的に選択・決定できる環境を整えることを挙げている。

高専との連携も強化

加えて、国立高等専門学校機構との包括連携協定により、モノづくり教育の実践力向上や人材交流の取り組みを進め、高専生の採用および入社後育成の強化を図る。

国立高等専門学校機構とパナソニック ホールディングスは2025年11月、新たな人財育成を目的とした包括連携協定を締結。協定を通じて、高専機構とパナソニックグループが日本のモノづくり分野における人財育成の新しいカリキュラムを共同で開発するとしている。

日本企業の採用慣行は変わるのか

日本企業の技術系採用においては、大学から企業に学生を推薦する「学校推薦」が長く利用されてきた。これは企業側にとっては優秀な学生を確保しやすい仕組みだった一方、学生にとっては応募企業が制限されるケースもあった。

推薦制度を利用すると、多くの大学・大学院では「他社応募不可」「内定辞退不可」といった条件を課されるため、学生側の選択の余地が狭まる。

加えて、昨今のAIの進化・利用拡大により、技術系の学生の価値は高まっており、日本企業は自由応募を基本とする海外企業と採用市場で戦いを強いられる状況になっている。

こうした背景から、近年は採用の自由度を高める企業も増えており、パナソニックの判断が他社に波及する可能性もある。

パナソニックの今回の判断は、技術系学生の就職活動のあり方にも影響を与える可能性がある。これまで推薦枠の対象外だった学生にも応募機会が広がるとみられる。