【2026年をどう占いますか?】 答える人 鹿島建設会長・押味至一

人手不足解消への取り組みを確かなものに

 ─ 鹿島会長の押味至一さん、26年の建設業界の見通しを聞かせてください。

 押味 高市政権が誕生し、「強い経済」を訴えておられることは、我々としても大変ありがたいことだと感じています。

 日本の外交力の強化も重要な柱だと思います。日米関係が最重要であり基軸とするのは当然ですが、様々な意味で日中関係も重要です。

 日本の建設価格が、21年以降30%以上も上昇しています。日本は中国から、建設現場で使用する鉄鋼など建設資材のかなりの量を輸入しています。日本と中国の関係悪化によって中国からの建設資材が入ってこなくなると、さらなる建設コストの上昇を招くのではないかと懸念しています。

 その意味で、高市政権には、できれば早期に日中関係のバランスを取る、しなやかな外交をしていただきたいと思います。緊張はしていながらも、これまでのような関係を維持していけるように、柔軟な対応をしていただけるとありがたいです。

 ─ 人手不足は全産業的な課題ですが、建設業は特に深刻ですね。

 押味 人手不足は建設業にとって最大の課題です。対応策としては、1つは国内の若い世代に入職したいと思ってもらえる産業にすること、もう1つは外国人の方々に日本に来ていただいて、仕事を続けてもらえるように待遇を手厚くしていくこと、大きくはこの2つだと考えています。

 建設業界では、これらの対策で人手不足を解消すべく取り組んできましたが、26年はこれをさらに拡大し、確かなものにしていきたいと思います。

 外国人の労働力確保に関しては、やはり国に率先して取り組んでいただくことが大事だと考えています。具体的には、国が外国人労働者を把握するために、組織をつくり、適切に管理する仕組みを整えることです。

 ─ 政府が政策を明確化することが大事だと。

 押味 そうですね。今は、外国人労働者を活用する側に任せているというやり方です。これでは決していい方向に向かいません。

 日本は移民政策を取っておらず、技術力がある外国人労働者に日本に残っていただくという政策を取ろうとしています。そのことを、しっかり表に出して発信していただき、国民の皆さんに納得していただくことが大事です。結局は人と人との関わりです。日本国民に「構え」がないと決してうまくいかないと思います。

 日本はこれまで、海外から見て非常に魅力的な国だったからこそ、多くの外国人が来てくれたわけです。さらに魅力的にするための政策を、ぜひ取っていただければと思っています。