FIXER社長・松岡清一「AI活用で人の仕事を強化し、働く人をエンパワーメントするサービスを!」

独自の生成AIサービス『GaiXer(ガイザー)』を展開しているが、松岡氏は常に米国で何が起きているかを観察し、日本に来た時にはどうなるかを推測しながら経営を進めている。

 その中で今、懸念している1つは米国での過剰なAI投資。オープンAIの「Chat GPT5.2」は高い推論能力を持つが、先進的にAIに取り組んでいる松岡氏ですら「全ての能力を使い切れていない」ほど。つまり、これ以上の高い能力を、どのように活用するかが業界全体で見えていないということ。

 もう1つは、世界的大手・マイクロソフトが人員削減を実施し、その分の資金をデータセンターや半導体への投資に回そうとしていること。「他の大手が追随すると、みんなが恐れていたAIが人間の仕事を奪い、貧しくなる世界になってしまう」

 その中でFIXERは「あくまでAIは、人の仕事を強化し、働く人をエンパワーメントするもの」という姿勢を堅持。

 具体的には政府や地方自治体、地域金融機関への導入が相次いでいるが、直近でも環境省が活用を決めている。

 ただ、これまでは導入先の環境が「クラウド」であることが前提。しかし、日本の半数近くの自治体や企業はクラウド化されていないという現状がある。

 そこでレノボ・ジャパンと連携して、同社のAIワークステーション「Think Station PGX」と、FIXERの「ガイザー」を組み合わせたサービスの提供を開始する。費用は月額10万円。これによって、クラウドに接続せずともAI活用が可能になる。「我々の市場が2倍になると考えて参入を決めた。お客様からの興味関心を感じている」

 他にも、地域活性化センターと連携して、地方自治体での生成AIの利活用を推進し、AIを活用して課題解決ができる人材育成をすべく「自治体AI人材育成プロジェクト」も進める。

 今後に向けては「自社のAI化をさらに進め、その成果をお客様に還元する。そしてAIを扱う人の『倫理観』を大事にしていきたい」と語る。

profile : まつおか・せいいち 2009年FIXER創業、代表取締役社長。22年10月東証グロース市場上場。