NECは2月18日、「BluStellar Scenario」の事例に関する説明会を開催した。BluStellar Scenarioは、DXを迅速に成功させるため、実証された「実践知」を基に経営課題の解決策を型化したシナリオ。

同社はこれまでBluStellarの事業戦略や取り組みについて発信してきたが、今回、「BluStellar Scenario」という売り方が顧客にどのように受け入れられているかについて紹介された。具体的には、「BluStellar Scenario」の概要や実際に導入した顧客事例について、導入前の課題、導入後の反応、具体的な成果や見通しなどの説明が行われた。

  • 「BluStellar Scenario」

    「BluStellar Scenario」

「BluStellar Scenario」の2つの変革軸

「BluStellar Scenario」とは、「顧客の経営課題の解決」や「経営アジェンダの実現」に向けて、AIやセキュリティといった最先端テクノロジーの最適な組み合わせや成功事例など、NECが持つ実践知を集約して体系化したもの。

エンド・ツー・エンドのアプローチで、最先端のテクノロジーを活用しながら、安心かつ最速に顧客の課題を解決することを目指すビジネスモデルだ。

「BluStellar Scenario」は2024年に発表された「BluStellar」のビジネスモデルの要に位置づけてられており、32種類(業種共通シナリオ16種、業種別シナリオ16種)のシナリオが用意されている。

NEC AIビジネス・ストラテジー統括部 シニアエバンジェリスト 野口圭氏は「BluStellar Scenarioの価値」について「テクノロジーと実績を裏付けとしたコンサル起点のアプローチで、経営課題解決に向けた構想から実装、成功までをよりスピーディーに、確実に顧客への提供価値に転換できる」と説明した。

  • NEC AIビジネス・ストラテジー統括部 シニアエバンジェリスト 野口圭氏

    NEC AIビジネス・ストラテジー統括部 シニアエバンジェリスト 野口圭氏

2025年度、同社のシナリオビジネスは順調に拡大しており、データドリブン・モダナイゼーションを中心に実績は好調を維持している。特に製造業、金融業を中心に導入が進んでいるという。

この推進の背景には「ストラテジー変革」と「カルチャー変革」という2つの変革軸がある。

「ストラテジー変革」は、「商材売り」から「経営層の経営課題を解決する」に変革するというものだ。

経営課題解決に向けたコンサル起点のアプローチを行う「売り方変革」、BluStellarアンバサダー制度の導入やBluStellarを牽引する全社横断組織の設置を進める「組織変革」、標準化されたオファリングと高いSI力の力をSIモデル化する「売り物変革」といった変革を進めることで、全体的な戦略の方向転換を実施している。

もう一方の「カルチャー変革」では、「会社が提供する」から「社員一人ひとりが体現する」への転換を目指している。

AI教育をはじめとするDX人材育成プログラムによる全社教育とスキル認定制度の導入を進める「人材変革」、月次開催する経営層との対話型タウンホールミーティングでの啓発活動などを行う「意識変革」、BluStellarを社員のKPIや表彰制度に組み込み、積極的な提案を促進する「制度変革」などを実施することで、「社員一人ひとりが体現する」カルチャーへの変革を進めているという。

  • 「BluStellar Scenario」の推進を加速する2つの変革軸

    「BluStellar Scenario」の推進を加速する2つの変革軸

事例1:大垣共立銀行「金融機関向けモダナイゼーションプログラム」

最初の事例として紹介されたのは、大垣共立銀行の「金融機関向けモダナイゼーションプログラム」だ。

  • 大垣共立銀行

    大垣共立銀行

当初、大垣共立銀行には「DX戦略を中期経営計画の横断施策として位置づけ、データ利活用による顧客理解と体験価値向上を加速させる」という目標があったものの、データが社内で分散してしまい、統合・集計にも手間がかかるなど、基盤が未整備という課題があったという。

さらに、長期取引の顧客データも十分に保持されていなかったため、分析が困難という課題もあった。

これらの課題に対してNECは、データ活用基盤のコンサルティング、後続の構築を一貫して支援しているという。

具体的には、活用ユースケースを顧客のDX戦略のテーマである「プロセス変革」と「顧客接点の変革」の2軸で課題を整理。併せてシステム環境の制約を確認した。

また目的や環境を踏まえ、コストや拡張性などの観点で議論し、複数のアーキテクチャ案を提示オンプレミス、クラウドの両方を適材適所に組み合わせたハイブリッドな構成で構築した。

この事例には、金融機関向けの豊富な実績と最新技術を融合し、独特の課題を抱える金融業界に特化したモダナイゼーションを支援するサービス群が提案された。

このプログラムを活用することで、既存IT資産を生かしつつ、ビジネス運用モデルの最適化を実現するとともに、業界を超えた顧客体験を創出し、金融機関の持続的な成長の実現を支援できるという。

  • 大垣共立銀行「金融機関向けモダナイゼーションプログラム」のシナリオイメージ

    大垣共立銀行「金融機関向けモダナイゼーションプログラム」のシナリオイメージ

大垣共立銀行からは「他のベンダーとは異なり、特定製品の導入を前提とせず、展望やシステム環境制約を理解して、提案してくれるのが良かった」「データ活用基盤の整備により、データ活用の準備にかかる工数を削減し、データ利活用やAI活用に挑戦しやすい環境が整った」という意見をもらっているそうだ。

事例2:ダイアナ「顧客理解の高度化による新たなカスタマーサービス体験創出と収益拡大」

続いて紹介されたのは、ダイアナの「顧客理解の高度化による新たなカスタマーサービス体験創出と収益拡大」の事例だ。

  • ダイアナ

    ダイアナ

ダイアナは、コロナ禍を機に顧客の購買スタイルが変化したことを背景に、ECサイトの売上の横ばいが続いていたり、顧客管理システム運用の最適化が進んでいなかったりという課題があった。

そのため、ECサイトと店舗双方で売上拡大を早急に図るため、現行施策の改善と中長期的な顧客育成施策の設計・運用が急務となっていたという。

そこでNECは、BluStellar Scenarioに基づき、顧客データ(会員購買、WEB行動、商品データなど)をもとにしたPDCAサイクルを実施した。

具体的には、課題抽出と取り組みの優先度を定義するとともに、特に優先度の高い課題に対する打ち手を検討し、現行施策の改善と新規施策を提案した。

  • ダイアナ「顧客理解の高度化による新たなカスタマーサービス体験創出と収益拡大」

    ダイアナ「顧客理解の高度化による新たなカスタマーサービス体験創出と収益拡大」

これに対してダイアナは「客観的な数値データ分析から得られる施策が的確だった」「(ダイアナを)深く理解したNECだからこそ、安心して理想の顧客体験づくりを一緒に進められる」などのフィードバックを得ているという。