【国土交通省】整備新幹線の「貸付料」 負担増を警戒するJRが難色

整備新幹線の線路の使用料としてJR各社が国に支払う「貸付料」を巡り、27年に取り決め期限を迎えるJR東日本と、国の対立が鮮明になっている。値上げ姿勢を見せる国に対し、JR東に続きJR西日本も負担増に難色を示した。今夏に結論を出す国土交通省の有識者会議の議論は調整が難航しそうだ。

 整備新幹線とは1973年に整備計画が決定された5路線を指し、北海道(青森―札幌)、東北(盛岡―青森)、北陸(東京―大阪)、九州(福岡―鹿児島、福岡―長崎)が該当する。線路を鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設・保有し、JRに施設を貸し付ける上下分離方式を採用。貸付料は30年定額で、現在JR4社は年間約800億円程度を支払うが、31年目以降が未定となっている。

 JR東が営業主体の北陸新幹線(高崎―長野)が開業から来年30年を迎えるため、国交省は昨年11月、31年目以降の貸付料を議論する有識者会議を初開催。国は期間延長に加え、この先の大規模改修に向けた資金確保、鉄道以外に不動産・ホテル事業で収益を上げるJRの経営状況を指摘し、算定の見直しを検討するとした。貸付料の増額が視野に入る。金子恭之国土交通相は「31年目以降も適正に収受できるよう検討を進める」と話している。

     

           金子恭之・国交相

 これに対し、JR東は、1991年に旧運輸省との間で交わした合意文書の存在を挙げ、現在支払う175億円(高崎―長野)が上限だと主張。不動産事業も自社グループの資金によるものだと訴えた。1月15日に国交省の会議に出席したJR西も増額に慎重論を唱えた。JR側は「支払わないとは言っていない」(関係者)との立場だが、当初から議論が停滞している。

 議論を巡り、別の関係者は「未着工の整備新幹線もある中、日本の鉄道輸送網をどうしていくかという、そもそものグランドデザインが見当たらない」とぼやいた。

【2026年をどう占いますか?】 答える人 日本商工会議所会頭 ・小林 健