Windows Latestは2月11日(現地時間)、「Is app compatibility still a problem on Windows 11 ARM? I tested some popular apps」において、ARM版Windows 11におけるアプリ互換性についての検証結果を公開した。

今回、ARM版CPU搭載のWindows 11 PCで複数の一般的なソフトウェアが正常に機能するかを確認し、その結果をレポートしている。

Windows 11でARM対応は大きく向上

Windowsは長年にわたってx86アーキテクチャ向けに最適化されてきたため、MicrosoftがそれをARM向けに作り変えるには多くのハードルがあった。最初のARM版WindowsはMicrosoft Surface RT向けの「Windows RT」で、2012年にリリースされた。これはWindows 8をベースに開発しており、デスクトップモードは存在するものの、従来のx86アプリは動作しない、Windows PCとしては不完全なものだった。

2017年に登場した「Windows 10 on ARM」は、Windows RTでの失敗を教訓としており、x86版のWindows 10と同等の機能を持ち、エミュレーターによってx86アプリも動作するものになった。しかし、当初のエミュレーターが64bitアプリをサポートしていなかったことや、パフォーマンスが不十分だったことなど、まだ多くの課題が残っていた。

現在の「Windows 11 on ARM」はWindows 10 on ARMの後継版だが、x64アプリも動作するほか、多くのアプリのネイティブ対応も進んでおり、Windows 10時代と比較すれば格段に進化している。最も大きな違いは、MicrosoftとQualcommが協力して開発した互換レイヤー「Prism」の存在だ。Prismは、x86向けのアプリを再コンパイル無しでARM上で実行可能にするエミュレーターだが、従来のエミュレーターと比べて互換性やパフォーマンスが飛躍的に向上しており、主要アプリの多くを動作させることができる。

24の主要アプリで互換性を検証

Windows Latestは、多くのWindowsユーザーが利用している24種類のアプリについて、Windows 11 on ARMでの動作を検証した結果がまとめられている。テスト対象のアプリには、ネイティブ対応が完了したものと、ベータ版としてネイティブ版が公開されているもの、そしてPrismによってエミュレーションで動作するものがそれぞれ含まれている。

ネイティブ対応のアプリは、エミュレーションが不要なため動作効率や電力消費面で有利だ。実際に、VLCメディアプレーヤーやAudacityといった音声・映像関連アプリ、さらにはMicrosoft Officeのような日常的な生産性ソフトはネイティブ版が存在しており、検証でもそれらが高いパフォーマンスを発揮したという。

互換性の課題が残るアプリ、ドライバーは?

ただし、一部のアプリやドライバーには互換性の課題が残ることも確認された。例えば、Proton VPNやMatlab、Solidworksなどは、一部の機能が動作しなかったとのこと。また、Adobe Acrobatは動作するものの、若干の速度低下が見られたという。

その他、GPUとAVX機能に大きく依存するゲームをエミュレーションで実行する場合には、フレームレートの低下、ファン回転数の上昇、バッテリー駆動時間の短縮などの影響が出ることも報告されている。

レポートでは、課題はまだ残っているものの、ARM版Windows 11におけるアプリ互換性は、かつて指摘されたような大きな問題ではなくなりつつあると総括している。特定の用途ではまだ注意が必要ではあるものの、日常作業や生産性ソフトの利用ではほとんどの主要アプリが動作し、エミュレーションとネイティブコードの組み合わせで幅広い利用が可能となっている。