【金融庁】プルデンシャルで大規模不正 金融行政の責任も問われる

「犯罪者集団と言われても仕方がない」。金融庁幹部は、米大手保険会社の日本法人プルデンシャル生命保険で発覚した前代未聞の不祥事をこう嘆いた。

 過去30年以上にわたって計100人を超す社員・元社員が約500人の顧客から総額約31億円を詐取していた。プルデンシャル生命社長の間原寛氏は2月1日付で引責辞任したが、トップの首を挿げ替えて済む話ではない。被害の7割に当たる約23億円が顧客に返還されておらず、問題収束の行方は見えない。「顧客本位の業務運営」を蔑ろにされた金融庁は厳しい行政処分を課す方針だが、不正を長年見過ごしてきた行政責任も問われそうだ。

 プルデンシャル側の説明によると、1991-2025年にかけて、計107人の社員・元社員が顧客に対し、保険と無関係な架空の投資話を持ち掛けて金銭を着服したり、顧客から金を借りて返さなかったりする不正行為が横行していた。

 同社独特の収益至上主義のビジネスモデルや極端な成果主義の報酬制度が不正の温床になったと指摘されている。「ライフプランナー(LP)」と呼ばれる営業社員約4000人はほぼ完全歩合制。「保険を売ったもん勝ち。素行は問わない」(元社員)という歪んだ社風の中、顧客への対応はLPに〝丸投げ〟され、経営陣がコンプライアンス(法令順守)意識を徹底させたり、組織統制を利かせたりすることはなかったという。

 社長の間原氏(当時)は1月23日に開いた記者会見で「金銭に関して長年、不適切な行為があった」と陳謝。過度な業績連動型の報酬体系が「収入の不安定さを招き、不適切行為につながった」と認め、報酬制度を抜本的に見直す方針を示した。だが、会社設立以来深く根差したビジネスモデルや社風を一掃するのは容易ではない。

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