
選挙にかけて 「円高モメンタム」
当面の相場見通しのキーワードは「円高」と「政界刷新」です。
円安、物価高は与党にとってはアゲインストになりますから、選挙に入ったら、財務省による為替介入などがあるのではないかと見ていました。ですから市場では1月末にかけて「円高思惑」、「円高モメンタム」が出ていました。
例えば先日、テレビで食肉業者の事例が紹介されていました。彼らにとって円安は仕入れ価格が上がるため困るわけですが、1月末にかけて急速に円高が進みました。社長は全社員に対して「待ちに待った円高。商売拡大の絶好のチャンス」とハッパをかけていたのです。
以上は非常にわかりやすい社会風景ですが、今は長年続いた円安の反動が出ています。そのきっかけが選挙でした。そして円高は株安につながります。そして、この円高は選挙までで、終われば円安、株高に反転すると見ています。
為替の動向を波動から見ると、短期波動の出発点は2025年4月22日の139円89銭で、ここから円安が進んできました。26年1月14日に159円45銭とい円安を付けたところがピークとなっています。
直近の円高から、今年の円安ピークまでは19円56銭の円安となっています。この3分の1押しが153円で、これが1月末時点の水準です。
ですから、最も軽い場合には選挙までに152~153円程度の円高で終わりになります。これがAシナリオです。
Bシナリオは、政府が為替介入を行うなどして、もう少し円高が進むというケースです。この場合は半値押し、149~150円程度の円高となります。この場合、株ももう少し下落するでしょう。
株式市場の売り材料は為替しかない
今の日本の株式市場には、売り材料は為替しかありません。選挙前、株価はもたもたしたわけですが、これまで一本調子で上がってきていましたから、結果的にほどよい調整になる可能性があります。
また、可能性は低いと思いますが、念の為Cシナリオも想定しておきたいと思います。相場は一定方向に動くと行き過ぎることがありますが、139~140円の壁に向かう円高となる可能性です。
ただ、この水準の円高になったとしても、日経平均はせいぜい5万円割れ程度でしょう。これは25年11月4日に5万2636円という新高値を付けた後、押し目が入って、25年11月19日と12月18日に4万8000円台でダブルボトムが入っていますから、これを当面下回ることはないと見ています。
また、Aシナリオ、Bシナリオならば、日経平均は5万2000円前後までしか下がりません。株価が新高値を付けて下がる時には、「前の山」、つまり25年11月4日の高値水準辺りで止まるというのが波動です。
直近の株価の動きを左右するのは、1に為替、2に選挙結果予想です。
本稿執筆時点(1月末現在)は結果が出ていませんが、これがどうなったか。自民党が過半数を制して、勝っていれば、多少円高だったとしても株価は上がります。
投資テーマは引き続き1に防衛、2に資源、3に金融、資産運用立国関連です。4を挙げるとしたらAI・半導体関連ですが、私は基本、バリュー株投資ですので、バリュー株の中から4を挙げるならばインフレの恩恵を受ける内需、消費関連です。
利上げは日本経済が正常化する表れ
今後の日銀の金融政策が、株価の動きにどう影響してくるかも見ておきたいと思います。
政策金利は0・75%まで引き上げてきましたが、1%への追加利上げもそう遠くないと見られています。
この利上げについて、長年にわたる日本株ウォッチャーとして知られるピーター・タスカ氏はSNSで、「日銀が利上げをしているのは日本経済、日本の金融が正常化に向かっている証拠。利上げは日本経済にとっていいことだ」という趣旨の発言をしています。
ただ、この認識はまだ、日本全体の大局観にはなっていません。しかし、次第に利上げは、日本経済が正常化に向かっているということの表れだということが、投資家にも浸透してくるものと見ています。
1%程度への利上げは何も問題ない、歓迎だということに、近い将来なってくるでしょう。そしてむしろ、株高要因になる可能性すらあります。
ゼロ金利、マイナス金利と、金利がない状態が30年続いた日本経済がどうして振るわなかったかというと、いわば「水風呂」に入っていたからです。これでは体調が悪くなるに決まっています。
「アベノミクス」が始まって、ようやくお湯の温度が上がってきたことで、日本経済の調子も戻ってきました。ただ、このアベノミクスもぬるま湯でした。
コロナ禍を経て、高市政権の登場によって、ようやく「適温」になりつつあります。高市政権は「高圧経済」(積極的な金融緩和と財政出動で意図的にインフレ状態を維持し、雇用最大化と生産性向上を図る経済政策)を進めようとしていますから、もってこいの政策です。
この状況が続けば、最も強気のシナリオでは、26年末までに日経平均7万円を目指す展開となります。
今の日経平均は5万円から5万5000円のゾーンにあります。そして、年央までに5万5000円から6万円のゾーンに入っていくでしょう。その後は、高市政権が国策として打ち出した「強い日本」、「豊かな経済成長」を、内外の足を引っ張る人たちを跳ね除けて、どれだけ実現できるか。
選挙によって高市自民党が圧勝すれば、政界が刷新され、日本の政治経済の足を引っ張っていた勢力が一掃される可能性があります。その時こそ、日本の夜明けです。
※本稿は選挙前に執筆されたものです