ソフトバンク、JR西日本光ネットワーク、JR九州電気システムの3社は、鉄道沿線の光ケーブルを活用した“低遅延・高信頼”なイーサネット専用線サービスの提供に向けた協業を2月から開始する。

  • サービス構成のイメージ(実際のケーブル敷設経路を正確に示したものではない)

    サービス構成のイメージ(実際のケーブル敷設経路を正確に示したものではない)

データセンター間の高速接続やAIインフラのほか、金融分野や放送・メディア、産業や官公庁・社会といったインフラにおける活用を想定したサービス。ソフトバンクのWDM(波長分割多重)ネットワークと、JR西日本光ネットワーク、JR九州電気システムが保有・運用するWDMネットワークを相互接続して提供する。

同サービスで活用する光ケーブルは、鉄道インフラに近接したルート構成を含み、比較的直線的なルートで構成。一般的な通信経路と比べて、物理的な伝送距離を短縮できるため、通信の遅延の低減に寄与するとしている。

また、鉄道インフラは、耐震性や安全性の観点から堅牢に設計・運用されており、災害時においても安定した通信を確保しやすい特長がある。このため、地方分散型データセンターを含むミッションクリティカルな用途においても、信頼性の高い通信基盤を提供できるとアピールしている。

主な特長は以下の通り。

帯域保証型の専用線サービス

ユーザーごとの専有帯域により、他のトラフィックの影響を受けにくい、安定した通信環境を提供する。

キャリアダイバーシティ構成による高可用性

異なる2経路を光スイッチで自動切り替えする冗長構成により、障害時でも通信断を回避しやすい設計としている。さらに、ソフトバンク、JR西日本光ネットワーク、JR九州電気システムのWDMネットワークを組み合わせることで、単一事業者に依存しない冗長性を追求。災害や設備故障などのリスクを一層低減し、高い可用性を確保する。

相互接続構成による柔軟なネットワーク設計

3社がそれぞれ保有するWDMネットワークを相互接続し、用途に応じた最適なルートが選べる。

また、活用が期待される具体的な領域として以下を挙げている。

  • 金融分野(高速取引、主要都市間のレイテンシー最適化)
  • データセンター間の高速接続(バックアップ、DR、大容量データ転送)
  • AIインフラ(学習用データの転送、データセンター間の分散処理)
  • 放送・メディア(番組素材伝送、ライブ配信、制作拠点間連携)
  • 産業インフラ(工場・制御システム拠点間の通信、設備監視)
  • 官公庁・社会インフラ(防災・監視ネットワーク、自治体間連携)

AI(人工知能)や自動運転、データセンター機能の高度化といった先端技術の社会実装が進む中、それらを支える通信インフラにおいては、大容量データを高速かつ安定的に伝送できる性能に加え、常時安定して機能する社会インフラとしての信頼性が欠かせない。

主要都市間を結ぶバックボーンネットワークでも、低遅延・高信頼といった性能に加え、障害発生時や災害時にも通信を止めない冗長性が、社会インフラを支える上で重要な前提条件となっている。

電力供給や用地確保といった制約への対応を背景に、これまで東阪の都市部に集中していたデータセンターを、九州をはじめとする地方へ分散する動きが高まっている。データセンターの立地分散は、災害リスクの低減やエネルギー制約への対応に加え、地域分散型のデジタルインフラ構築という観点からも、その重要性が増している。

そうした背景を受け、3社は今回の協業を発表。通信インフラの広帯域化・高速化に向けた技術検証を協力して進め、産業界や自治体におけるさらなる利活用を共同で推進していく。