富士通JapanとJMDCは2月5日、医療の高度化と持続可能な医療体制の構築に貢献するための協業を1月5日に開始したことを発表した。匿名加工した医療データの利活用ノウハウを保有するJMDCと、医療機関における電子カルテ市場で高いシェアを持つ富士通Japanの顧客基盤を活用することで、医療機関および医療体制を担う関連団体や企業の医療データの利活用を加速させる。また、医療機関においてデータに基づく経営の意思決定を支援する。
協業の背景
日本の医療において、高齢化の進展や医療費の増大が叫ばれる一方で、医療従事者の人手不足や医療機関の経営難が課題となっている。これらの課題解決に向けては、医療データの活用による診断精度の向上や業務効率化、新たな治療法の開発、地域医療連携の強化が期待されている。
協業の概要
富士通Japanは、匿名加工したDPC(Diagnosis Procedure Combination)データの提供を承諾する医療機関に対し、経営・診療データの可視化と分析が可能な「Dashboard 360」を無償提供する。
Dashboard 360は富士通の事業モデル「Uvance」のうち、病院運営において効率性と効果の最大化を実現するオファリング「Smart Hospital」から提供する、急性期病院の患者フロー最適化と経営課題解決を支援するサービス群「Healthcare Management Platform」の一つとして構成される。
Dashboard 360は電子カルテとシームレスに連携しているため、患者フローに潜む病床稼働率の低下や、入院や手術への待機などの課題における要因分析が、入院中の診療や入院に至る外来状況を含めて可能となる。
また、JMDCから提供されるデータに加え、今回の協業により提供されるデータに基づくベンチマーク機能を備え、病院経営におけるタイムリーな意思決定を支援するという。
JMDCは富士通Japanと連携してセキュアな環境でDPCデータを匿名加工し、製薬企業や官公庁、大学の研究などに提供。また、同社が集積した約2000万人規模の保険者データなどと組み合わせ、発症前の検査値異常から入院治療、そして退院後の予後までを含むペイシェントジャーニーの全貌を可視化する。
これにより、潜在患者のスクリーニングによる疾患の早期発見、リスク因子の特定による重症化予防、実社会における長期的な治療効果や医薬品安全性の精緻な評価を可能にし、医療の質と効率の向上に貢献するとのことだ。
