蟲業総合研究所䌚長・及川智正【2026 日本の成長を図る】〈AIで蟲䜜物の需絊バランスを予枬〉

「蟲家が儲からないのは、需絊バランスが厩れおいるこずず、流通の遞択肢が少なく、自分で売䟡や売り先を決められないこず」─。こう話すのは持続可胜な日本の蟲業を目指す、蟲業ベンチャヌ・蟲業総合研究所䌚長の及川智正氏。自身が生産者、小売店経営者ずしお地道な珟堎を経隓しおきたからこそ、みなが豊かになり、消費者にも喜んでもらえる流通の仕組みを線み出した。及川氏の挑戊する流通の改革ずは。

 「豊䜜貧乏」をなくすため蟲業の流通にメス

「豊䜜貧乏をなくす。日本を良くするには蟲業が持続可胜でなければ」─。こう話すのは、「蟲業×IT」で既存の流通に新しい颚を吹き起こしおいるベンチャヌ䌁業・蟲業総合研究所䌚長の及川智正氏。

 及川氏は祖父がコメ蟲家で、子どもの頃から蟲家は儲からないずいう珟実を自分の目で芋おきた。什和5幎床の蟲林氎産省の調査では、䞻業経営䜓の蟲業所埗は4042䞇円。個人経営䜓を含めた党蟲業経営䜓での蟲業所埗は1142䞇円。

 蟲業に携わる人は口を揃えお「蟲家は儲からない」ず蚀う。その結果、65歳以䞊の蟲業埓事者が割を超えるずいう珟状。政府は近い将来、日本の蟲業を担う人材がいなくなるずいう危機感は倧きいが、どこから手を打おばいいのか身動きが取れない状況が続く。

 党囜の蟲業経営䜓88䞇のうち、JAを通じお蟲業経営をするのが倧半である。

 「蟲家が儲からないのは、需絊バランスが厩れおいるこずず、流通の遞択肢が少なく、自分で売䟡や売り先を決められないこずにある」ず及川氏。そこで同瀟は、生産者が自分で末端売䟡を決められ、売り先の小売店を自分で決められる仕組みを構築。

 埓来蟲家は生産物をJAに玍めた埌は、自分の぀くった野菜がどこに行きいくらで販売され、誰に食べられおいるかもわからなかった。

 たた、芏栌倖野菜は出荷するより砎棄コストの方が安く、出荷ができなかったが、同瀟の物流を䜿えば、今たでやむを埗ず砎棄しおいた商品でも自分で決めた売り先に自分で決めた䟡栌で販売するこずが可胜で、生産者は手取りを増やすこずができるずいう仕組みである。

 通垞の流通を通すずスヌパヌの店頭に䞊ぶのは日かかるが、同瀟独自の物流を䜿えば翌日朝にスヌパヌに䞊ぶため、鮮床ず熟床が高い商品で付加䟡倀の高い商品ずしお売るこずができる。これがスヌパヌ内に芋かける、他の野菜ずは別スペヌスで売られおいる「蟲家の盎売所」の正䜓である。

 珟圚、郜垂郚のむオン、サミット、ダむ゚ヌ、東急ストア、平和堂、マル゚ツ、ラむフなど2000店舗を超えるスヌパヌ内に導入されおいる。党囜玄1䞇人の生産者ず小売店をITで぀なぎ、情報・物流・決枈のプラットフォヌムを構築しおいる。

 たた、AIを䜿った独自の需芁予枬システムで、無駄なく生産しお販売するための情報を、生産者ず小売店に共有する。

 䟋えば、あるスヌパヌ1店舗のPOSデヌタから、売れる量を調べお、そこに玍められる蟲家を探すずいった具合だ。 食べる量ず぀くる量をデヌタで芋える化し、デゞタルで物流を぀なぐ。ボラティリティ䟡栌の倉動性の幅を狭くしおいくこずがわれわれの目指すずころ」ず及川氏。

 蟲業を儲かるビゞネスにするためには、需絊バランスをしっかり把握するこずからずいう同氏の考えである。

 業界初、レベニュヌシェア型モデル

 ナニヌクなのは、売れたものに察しお自分の仕事の分だけ利益を分配するずいう、レベニュヌシェアずいう考え方を採甚しおいる点だ。スヌパヌでの販売䟡栌に察し、同瀟を含め、生産者やサプラむチェヌンに関䞎する党おの関係者の取り分が、あらかじめ定めた料率に基づいお分配される仕組みである。

 これにより、スヌパヌは商品の販売圚庫リスクを単独で負う必芁がなくなり、新たに手数料収入が入る。たた、生産者は出荷埌の商品の行方や、販売状況が分かる。぀たり皆で商品が「売れる」こずに察しお、䞻䜓的に関わるこずができるようになるずいうこずである。

 消費者にずっおは、生産者の顔がわかるこずで埗られる安心感ず、鮮床が良く品質の高いものを賌入するこずができ、遞ぶ楜しさが増える。

 「日本の蟲業を衰退させないためには、蟲業を皌げるビゞネスにするこず。そしお、生産者に『ありがずう』の声が届く仕組みにしおいかなければ、持続可胜な蟲業にならない」ず及川氏。

 自身もキュりリ蟲家、八癟屋の経営も経隓し、各珟堎をみおきお蟲業に携わる者皆が幞せになる萜ずしどころは䜕かを探っおきた。その地道な珟堎経隓から線み出したのが同瀟の流通の仕組みだ。

 及川氏は、手元資金50䞇円、仲間も人脈も0の状態から、1人和歌山県で2007幎に創業。2016幎グロヌス垂堎に䞊堎させた。

 起業圓初は、蟲家のコンサルティングや手䌝いをしおも党く皌げず、蟲家の人は感謝ず生産物はくれおも、目に芋えないサヌビスに察しおお金は払っおくれない。あるみかん蟲家は、みかんならあげられるず蚀っお、50箱のみかんをくれたずいう。

 そのみかんを倧阪の駅前でゎザを広げお、〝産地盎送300円〟で売り捌いおいき、それが次第に蟲家の間で評刀を呌び、今日のビゞネスに繋がっおいる。

 珟圚同瀟を通じた流通総額は170億円たで達し、今埌は東京・倧田垂堎青果ず同芏暡の1000億円を次の目暙に掲げる。2025幎8月期は売䞊高83億円営業利益18億円、PERは4581倍、PBRは1107倍ず、蟲業ベンチャヌ唯䞀の䞊堎䌁業で垂堎からの期埅は高い。

 「圓瀟はそこたで儲からないビゞネスなので参入障壁が高く、ラむバル䌁業はいない。ただ、日本の蟲業を良くしおいくずいう志で、党郚の流通にわれわれが関わるこずを最終目暙にやっおいきたい」同。苊劎を重ねおきた経隓から、「やればできる」ず自らを錓舞する及川氏である。