イグアスは1月27日、IBMが提供するAIエージェント駆動のエンタープライズ向け開発支援ツール「IBM Bob」の技術検証を実施した。その結果、開発生産性・品質の向上や開発プロセスの変革に対する有効性を確認できたことから、同ツールを活用したアプリケーション開発や保守支援サービスの提供を検討することを発表した。
技術検証の背景
イグアスはIBM製品のバリューディストリビューターとして事業を展開しており、IBM製品や技術に対して知識や経験を有し、技術選定のサポート、イノベーションの促進、開発への協力、技術者育成の支援、技術者同士のコミュニティの活性化に貢献してきたという。
また、IBM Bobの前身である「watsonx Code Assistant for i」のテクノロジープレビューにも参画した際、検証結果のフィードバックがIBMに正確かつ効果的だと評価されていたとのこと。
こうした取り組みや実績が評価され、イグアスはIBMからイノベーターとして他社に先行したIBM Bobのテクノロジープレビュー(技術検証)の依頼を受け、これまでの検証経験を活かして検証を実施。IBM Bobを活用して、組織における開発環境やプロセスを変革できるかを見極めるため、技術的妥当性と将来的な展開可能性を検証することを目的として実施した。
IBM Bobは開発者のパートナーとしてコードを書くだけでなく、要件定義から実装、テスト、デプロイまで、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を効率化し、最適化するように設計されたAIファーストな統合開発環境となる。
技術検証の概要
イグアスは、アプリケーション開発の効率化と品質向上を両立する新たな開発アプローチの有効性を検証するため、IBM iにおいて「RPG」(IBM i 専用のプログラミング言語)と「Python」の2つのプログラム言語でIBM Bobの技術検証を行った。
RPGでプログラムの解説、コード生成、他言語への変換の効率性と正確性を検証。Pythonでは、IBM BobによるMCPサーバ・アプリケーションの新規開発(仕様書生成、コード生成、テストケース生成・実行)を実施し、IBMのAIエージェント製品「watsonx Orchestrate」からのメール送受信の指示を開発したアプリケーションが実行したかの確認検証を進めた。
IBM Bobに自然言語で指示を行い、仕様書生成、コード生成、テストケース生成と実施までの各工程について検証を実施した結果、高精度かつ短時間での要件指示や仕様書作成、手戻りのないコードの自動生成などを実現。これにより、アプリケーション開発全体において、開発工数の約38%を削減できたという。
特に仕様書生成の過程では、IBM Bobの活用で検討すべきポイントが明確になり、人為的な見落としも解消されることで、効率化と正確性の向上に対する有効性が示唆された。また、IBM Bobはコード生成を行う前に要件や仕様を整理・確立するプロセスに優位性があることも確認できたため、要件定義の品質向上につながり、ビジネスアプリケーションの開発に適していると判断した。
さらに、IBM Bobがイグアス独自の開発ルールを自動で認識・学習し、それに従ったコード生成を行えることも確認。これにより、開発効率の改善に加え、エンジニア個人の経験値に依存しないアプリケーション開発の標準化が実現できることが明らかになったという。これによりイグアスは、IBM Bobは先進的な開発プロセス確立に寄与できる開発支援ツールであると結論づけた。
今後の展開
技術検証の結果をふまえ、今後イグアスは日本IBMやビジネスパートナーとの共創を通じて、イグアスグループとしてIBM Bobを活用したアプリケーション開発・保守支援サービスの提供に向け、検討を開始する。
まずは、RPG開発におけるIBM Bobの活用を前提としたアプリケーション開発の伴走支援、設計・仕様策定支援、既存アプリケーションの保守・改善支援に取り組む予定。
その後、対象言語を拡大しつつIBM Bobを軸とした新しいアプリケーション開発モデルを確立し、組織における開発環境とプロセスの変革を推進していく方針だ。なお、IBM Bobは2026年3月までに一般提供の開始を予定している。