【金融庁】地域経済の底上げへ 「地域金融力強化プラン」策定

金融庁は地銀や信金・信組が地域経済の底上げに貢献するための施策をまとめた「地域金融力強化プラン」を策定した。人口減少・少子高齢化の加速による地域経済の縮小に歯止めをかける役割を地銀などに求め、融資など既存の枠組みにとどまらない積極的なリスクテイクを促したのが特徴。

 各金融機関がこの責任を果たすには「経営基盤の強化が不可欠」として公的資金による資本注入制度を事実上恒久化するとともに、システム整備などへの補助金も拡充する。

 また、グループの子会社にM&A(合併・買収)の仲介業務を解禁するなど規制緩和策も講じる。片山さつき金融担当相は「(高市早苗政権の経済政策)サナエノミクスの中核だ。金融庁がこのプランを強力に推進し、地方経済の活性化を牽引していきたい」とアピールした。

 一方、公的資金を注入した金融機関でモラルハザードが起きないよう、当局による経営監視を強化する方針も打ち出した。東日本大震災後に公的資金を注入した、福島県のいわき信組で反社会的勢力への資金提供などの不祥事が発覚。公的資金注入制度の運用のあり方について、厳しい批判を浴びたことを受けた措置。ただ、実効性の確保に向けては、経営監視にあたる人材の充実が課題となりそうだ。

 ただ、人材やノウハウに限りのある地域金融機関が、金融庁が期待するような包括的な金融力をどこまで発揮できるは不透明。市場では「『経営基盤の強化』を名目に公的資金がバラまかれれば、本来、退出すべき弱小金融機関まで延命させることになりかねない」(証券アナリスト)などと懸念する声も出ている。

『わたしの「対話人生」』国際社会経済研究所理事長・藤沢久美「リーダーの視座」