米IBMは1月15日(現地時間)、企業、政府機関、サービス・プロバイダーがAIを活用したデジタル主権管理環境を構築、展開、管理するためのAI対応主権管理ソフトウェア「IBM Sovereign Core」を発表した。

新ソフトウェア提供の背景

デジタル主権は、データレジデンシー(データの物理的な保管場所)だけを指すものではなく、テクノロジー環境の運用・管理担当者、データへのアクセス方法およびガバナンス、ワークロードの実行場所、AIモデルの管轄権限なども含まれる。

IBM Sovereign Coreは、デジタル主権について検証し、運用管理を達成できるよう支援する。Red Hatの基盤上に構築し、選択された管轄区域内で企業独自の権限にもとづいて、クラウドネイティブ、AIワークロードの構築、デプロイ、管理するための専用ソフトウェアとなる。

既存のアーキテクチャに主権の管理レイヤを重ねるアプローチとは異なり、Sovereign Coreは主権をソフトウェアそのものに組み込んでいる。

新ソフトウェアの特徴

主な特徴として、顧客自身が管理するコントロールプレーンは地域外のベンダーを介することなく、ソフトウェアの運用、デプロイの判断、システム構成に対する直接的な運用権限を維持できるという。

また、領域内でIDやキーを保持するため、すべての認証、承認、暗号化キー、アクセス管理情報を、組織の管理下にある管轄領域内で保持することを可能としている。

さらに、恒常的なコンプライアンス対応や継続的なコンプライアンス証跡を生成することで、包括的な運用データ、システムテレメトリー、監査証跡を主権領域内で自動化IDを含めて生成、保存、管理ができるという。

加え、AIによる推論処理のガバナンスを確保し、AIモデルのデプロイおよびホスティング、ローカルGPUクラスタ、ローカルでの推論実行、エージェント処理は、トレーサビリティと監視機能を備えたローカルガバナンス体制下で行われるため、データが外部プロバイダーにエクスポートされることはないとのこと。

そのほか、一貫性および柔軟性を備えた主権管理機能が一括提供されるため、導入から数日以内にマルチテナント機能を組み込んだ隔離された環境を構築することができ、ハードウェアとインフラストラクチャも自由な選択を可能としている。

IBM Sovereign Coreは、オンプレミスのデータセンター、地域内のクラウドインフラストラクチャ、ITサービスプロバイダーなどの環境を選択して導入できる。2月から技術プレビューの公開を開始し、2026年半ばに一般提供の開始を予定。一般提供時には、さらなる機能追加を予定している。