【農林水産省】おこめ券相次ぐ配布拒否 米価4千円台で高止まり

2025年度補正予算が12月16日の参議院本会議で可決・成立し、自治体が地域の実情に応じて自由に使える「重点支援地方交付金」に2兆円が計上された。このうち4千億円分は食料品の価格高騰に対する特別枠だが、政府が推奨する「おこめ券」を巡り、配布しないとする自治体が増えている。

 自治体が反発する背景には、経費率の高さがある。現在の販売価格は1枚500円だが、実際に使えるのは440円にとどまる。12%にあたる差額の60円は、発行元の全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)と全国農業協同組合連合会(JA全農)に利益を上乗せした手数料として入る仕組みだ。利益誘導との指摘も相次ぐ中、両団体は上乗せ分を圧縮し、販売価格を引き下げる方針を示した。

 おこめ券の配布を巡っては、コメ価格の高止まりにつながるとの指摘もある。これに対し、鈴木憲和農林水産相は12月16日の記者会見で「2025年産のコメの供給量は需要量に比べても潤沢と見通している。コメの需給バランスへの影響は限定的ではないか」と語った。

  鈴木憲和・農水相

 肝心のコメの価格だが、農水省が公表した12月8日~14日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムあたりで前週より10円(0.2%)高い4331円だった。4千円台は15週続いている。

 コメの価格は2024年春まで2千円前後で推移した後、前年の猛暑の影響によるコメ不足に台風被害などによる買いだめ需要が重なり、価格が急上昇。25年7月末に3542円と、約7カ月ぶりの安値を付けたが、現在は4千円台が常態化しつつある。

 コメ卸最大手・神明ホールディングスの藤尾益雄社長は、12月2日に新潟市で生産者向けに開いた会合で、コメの価格は5キログラムで3500円が妥当とする見解を示した。政府は2026年も、コメ政策で難しいかじ取りを迫られそうだ。

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