Windows Centralは1月19日(現地時間)、「Adobe Photoshop now runs on Linux with a fix for Creative Cloud」において、Linux上でのAdobe Photoshopの動作が確認されたと伝えた。
Windows互換プラットフォームWineをベースに構築した独自環境を利用したものだが、これまで障害となっていた複数の依存関係を解消しており、将来の他Adobeアプリへの発展が期待されている。
Creative CloudをLinuxに導くWineパッチ
現在、Adobeが提供しているデスクトップ向けのクリエイティブアプリの数々は、公式にはWindowsとmacOSでの動作のみをサポートしている。残念ながらLinuxはサポート対象外なため、Linuxユーザーは写真の加工やイラスト制作などに別の代替アプリを使う必要がある。
この問題を回避するカギとなるのがオープンソースのWindows互換レイヤーである「Wine」だ。Wineは、WindowsのAPIをLinuxを含むUnix環境上で再現することにより、Windowsアプリが直接Linux上で動作できるようにする。ただし、Wineを使ったとしても、いくつかのファイルの互換性問題によって、Windows版のAdobeアプリをLinux上で動かすことはできない。
開発者のPhiality氏は、このWineに独自のパッチを当てることによって、Adobe Creative Cloudアプリのインストーラーが正常に実行できるようにしたとのこと。同氏が言及しているのが、Windowsの「mshtml」および「msxml3」との互換性だ。Phiality氏はこれらのファイルを修正してInternet Explorer 9相当の処理を実装した。これによってHTML、JavaScript、XML関連の処理が正常に実行できるようになったため、Adobe Creative Cloudインストーラーの実行にも成功したという。
Phiality氏が構築したAdobe Creative Cloudが動作するWineは、次のGitHubリポジトリで公開されている。
非公式な取り組みであることに注意
本稿執筆時点で、修正Wineは公式リリースには含まれていないため、利用者はGitHub上のパッチを取得し、自分でビルドする必要がある。Phiality氏はPhotoshop 2021および2025の動作はを確認したとのことだが、すべての機能や安定性が保証されるわけではなく、ライセンス管理やクラウド同期といった高度な機能では制約が残る可能性もある。
あくまでも非公式な取り組みであるため、自身で使用する場合には、自己責任であるという点を十分に理解しておくことが重要だ。
