セールスフォース・ジャパンは1月20日、仕事のためのパーソナルエージェント「Slackbot」の日本国内での提供開始を発表した。Slackbotは同日より、ビジネスプラスおよびEnterprise+の顧客向けに段階的に提供開始され、セットアップ不要/追加費用なしで、「Business+」「Enterprise+」という2つのプランが利用できる。
説明会には、セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 製品統括本部 統括本部長の三戸篤氏、同社 常務執行役員 Slack本部 Head of Slack Japanの浦和広氏、同社 製品統括本部 プロダクトマネジメント&マーケティング本部 プロダクトマーケティング マネージャーの鈴木晶太氏が登壇した。
また、SlackbotのパイロットユーザーであるメルカリのAI Task Force Directorの小泉剛氏が、導入背景や活用場面、導入による変化について説明した。
「Slackbot」の特徴とは
AIエージェントと人間が協働し、人の可能性を拡張する新しい働き方「エージェンティック エンタープライズ」の実現に向け、Slackは人、データ、アプリ、AIエージェント、ワークフローを統合する「エージェンティックOS」として進化を続けている。
その中で、今回発表された「Slackbot」は、Slackに直接組み込まれた、仕事のためのパーソナルエージェントだ。
すでにSlack上に存在している会話や業務コンテキストを起点に、利用者が信頼しているツールや情報と連携しながら、権限やアクセス制御を尊重した形で業務の支援を可能にするサービスとなっている。
新たなツールのインストールや特別な学習、追加の管理を必要とせず、質問への回答、業務の整理、コンテンツ作成、会議のスケジュール調整、各種アクションの実行まで、すべてをSlackから離れることなく行うことができる。
Salesforceは2025年のDreamforceで、人とAIエージェントが自然に協働できる世界の実現に向けたビジョンとして「Agentforce 360」を発表した。
「Agentforce 360」では、Slackを会話の起点とし、知識・業務アクション・データをリアルタイムでつなぐことで、日々の仕事の中でAIをより身近に活用できる環境を提供している。
毎週、何十億もの業務上のやり取りが行われているSlackに、Slackbotというエージェンティックエンタープライズの力を組み合わせることで、エンタープライズ向けAIは特別なツールではなく、同僚と会話するように自然に使える存在になったという。
具体的には、Slackbotは以下の特徴を備えている。
業務コンテキストを理解した支援:利用開始初日から、ワークスペース、会話、ファイル、関係者を理解し、権限に基づいたコンテキストを活用して業務を支援する。
ツールを横断した情報検索:Slack上の会話やファイルだけでなく、連携された業務システムも横断して検索することで、Slackを離れることなく必要な情報を簡単に見つけることができる。
会話からアクションまでを一貫して支援:情報検索にとどまらず、業務整理、コンテンツ作成、会議のスケジュール、リマインド設定などをSlack上で完結できる。
意思決定プロセスの理解:最終的な結論だけでなく、どの会話やドキュメントが判断に影響したのかを把握し、より的確な回答やアクションを提供する。
エンタープライズレベルの信頼性:Slackと同じセキュリティ基盤の上で、役割、権限、アクセス制御を厳格に尊重し、許可された情報のみを提示する。
メルカリによるSlackbotの導入効果とは
メルカリはSlackbotの国内展開を前に、パイロットユーザーとして提供前にSlackbotの利用を開始した。同社は、Slackbotを「初速を速めるため」に活用しているという。
「資料制作などの自身のタスクに『まず手を付けてみる』ことが仕事においては重要です。この初速を速めるという点において、『まずSlackbotに話し掛けてみる』というルーティンができたことで、スピーディーにタスクの1歩目を踏み出せるようになりました」(小泉氏)
さらに小泉氏は、「弊社において、Slackはただのコミュニケーションツールではなく、ワークプレイス=職場として機能しています。そのため、気軽に相談できるSlackbotを活用するようになって、『新しい世界の同僚ができた』という気持ちです」と、Slackbotの価値について語っていた。
Slackが「職場」として機能している同社だからこそ、今後は、「どのように新しい同僚(Slackbot)と付き合っていくのか」が今後のキーワードになってくると考えているという。
同社は今後、Slackbotについて、SalesforceのAgentforceをはじめ、AnthropicのClaude CodeやOpenAIのChatGPTなど、さまざまなAIエージェントと連携し、組織全体におけるAI活用の入口として進化させていく考えだ。
これにより、ユーザーが用途に応じたAIエージェントやツールを個別に探すことなく、Slackbotに依頼するだけで複数のAIエージェントが自動で連携し業務が進行する未来を目指す。





