Microsoftは1月13日(米国時間)、「All In on AI: The Future of Marketing in Asia-Pacific|Microsoft Advertising」において、アジア太平洋(APAC: Asia-Pacific)地域における今後のAIマーケティングの可能性を論じたコンテンツを公開した。

同社はAPACのデジタル化が突出した速度で進み、都市ごとの生活様式に変化が起きたと分析。上海では生活のあらゆる手続きがアプリで完結し、ムンバイでは即時決済が日常化し、シンガポールでは多機能アプリが生活基盤となり、シドニーでは非接触決済が広く普及したという。これらの事例やAIを取り巻く環境分析を通じ、APACのユーザーが新技術を積極的に受け入れ、AIを自然な存在として扱う段階に達したとの見方を示している。

  • All In on AI: The Future of Marketing in Asia-Pacific|Microsoft Advertising

    All In on AI: The Future of Marketing in Asia-Pacific|Microsoft Advertising

変化をけん引するAPACがAIを不可欠な存在に押し上げる

このコンテンツでは、APACのイノベーション速度がAIの浸透にも影響している点に注目し、AI技術との向き合い方を解説している。一般的にテクノロジーは人の創造性を補助し、日常生活を支え、次第に不可欠なものへと進化していく存在と言える。Microsoft AI部門の最高経営責任者(CEO: Chief Executive Officer)が語った「テクノロジーは人のために機能するべきです」との理念が示すように、企業もこの潮流を無視できないことが強調されている。

また、テクノロジーを「発想の起点を築く仕組み」と表現。仕事を効率化することで時間の節約を可能し、創造性を解き放つ機会を与えると説明している。これはAI技術にも当てはまり、業務にAIを活用するかどうかを考えるのではなく、時間の節約にどのようにAIを活用するかを考えるべきだと述べている。

APACではAI利用が急速に広がっている。これは2025年4月に公開した同社の調査レポートからも明らかで、知識労働者の多くが業務でAIを利用していることが示されている(参考:「APAC emerges as global AI frontrunner: Region’s businesses lead worldwide intelligent agent adoption - Microsoft Stories Asia」)。特に、中国やインドのAI導入率が90%以上と高く、スマートフォンと同等の存在感を持つ段階に達している。

これら地域では前述のとおりデジタル技術が広く浸透し、生活に不可欠な存在へと変化している。AI導入率の高さは同様の変化をもたらすことを示唆しており、AI技術が不可欠な存在となりつつある。

AIに主導権を委譲せず、AIが作り出す時間で新たな創造性を生み出す

MicrosoftはAI技術が企業に3つの利点をもたらすと解説した。第一の利点は、需要の把握や選択肢の探索を広範に行うことを可能にし、効率および効果を向上すること。第二は、反復作業の削減により運用負荷を軽減すること。第三は、学習能力を活用することで成果物を蓄積し、次のプロダクトに役立つ知見をもたらす可能性だ。これらが経営層にとって重要な指標になり得るとしている。

近年、AI技術の活用については成功と失敗の双方が報告されている。平均すると業務効率の低下を招いたとの調査結果が報告されており、計画性のない導入は望まない結果をもたらす可能性がある(関連記事:「AIツールが開発にもたらす効果は一律ではない、実態調査が示す真実とは | TECH+(テックプラス)」)。

強力な道具はそれ相応に慎重に扱い、上手に付き合っていく必要がある。単に効率化による利益の追求だけを目指すのではなく、AIがもたらす効率化で時間を作り、課題に直面する従業員の創造性を広げ、企業の限界を突破する利用がこれからあるべきAIの姿だと提唱している。