Malwarebytesは1月6日(米国時間)、「Disney fined $10m for mislabeling kids’ YouTube videos and violating privacy law|Malwarebytes」において、ディズニーが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA: Children's Online Privacy Protection Act)に違反したとする訴訟に対し、和解金1000万ドルを支払うことに合意したと伝えた。

これは米国連邦取引委員会(FTC: Federal Trade Commission)がディズニーワールドワイドサービスおよびディズニーエンターテインメントオペレーションズ(以下、ディズニー)に対して起こした訴訟の合意発表とされる(参考:「(PDF) UNITED STATES DISTRICT COURT CENTRAL DISTRICT OF CALIFORNIA WESTERN DIVISION Case 2:25-cv-08223」)。

  • Disney fined $10m for mislabeling kids’ YouTube videos and violating privacy law|Malwarebytes

    Disney fined $10m for mislabeling kids’ YouTube videos and violating privacy law|Malwarebytes

訴訟の概要

YouTubeは児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に対応するため、13歳未満の子供を対象とするデータ収集を厳しく制限し、2019年から動画のラベル付けを義務づけている。このような制限の中において、ディズニーはYouTubeに約1250チャネルを開設し、多数の子供向け動画を公開している。

動画のラベルは「子供向け(MFK: Made for Kids)」または「子供向けではない(NMFK: Not Made for Kids)」のいずれかを選択して付けなければならないが、ディズニーは一括して「子供向けではない(NMFK)」をラベル付けしたとされる。その結果、子供向けとすべき動画がすべて子供向けではないとして扱われ、子供のデータ収集およびターゲティング広告が可能になったという。

ディズニーにとっては予想外の出来事だったと思われるが、手抜きをした結果、児童のプライバシーを危険にさらしたと評価された。「子供向けではない(NMFK)」とラベル付けされた動画を子供が視聴する可能性については議論の余地が残るが、内容が明らかに子供向けであれば大人が視聴する可能性は低く、視聴者の大半は子供だったと評価することができる。

若干の違和感を覚えるところではあるが、和解金の支払いについて合意していることから、ディズニーは非を認めたとみられる。米国連邦取引委員会は児童のプライバシーを徹底して保護する方針を示しており、YouTube動画のラベル付けは適切に行うことが推奨される。

過去にもトラブルの歴史あり

Malwarebytesによると、ディズニーは過去に2度、同様の訴訟でペナルティを科された経験があるという。しかしながら、企業体質は改善せず、今回の訴訟に至ったとされる。そのためか、今回の和解では1000万ドルの支払いの他に次の義務がディズニーに課されている。

  • 13歳未満の子供から個人情報を収集する前に保護者に通知し、使用時には親の同意を得る
  • 個々の動画のラベル付けを検討しなければならない
  • YouTubeが視聴者の年齢を判別する年齢保証技術を導入した場合は、これら手続きを免除される可能性がある

個人情報の利用は企業にとって利益となるが、プライバシーの保護は重荷となる。今回のケースは重荷を避けた結果と言えるだろう。面倒だから、利益にならないからと放置せず、積極的に保護する取り組みが企業には求められている。