かつてデータセンターは、生活者にとって無縁の存在だった。インターネットを支える重要なインフラではあるが、IT業界以外の人々は知らないというデータセンターの位置付けが変わりつつある。

上昇する電気料金

Data Center Watchによると、この12カ月間で、全米24州で142の市民団体がデータセンター建設に反対する運動を展開している。640億ドル相当の米国のデータセンタープロジェクトが地域住民による反対運動により阻止、または遅延したという。

反対活動につながる懸念は、環境や健康への影響、AIの問題ある利用方法など多岐にわたるが、最も重要なのは、新たな電力需要が地域住民の電気料金を押し上げている点だという。電気料金の上昇は2026年の中間選挙を左右する重要争点になるとの見方も出ている。

このような反発の背景には、業界の爆発的成長がある。米国国勢調査局のデータによれば、2021年以降にデータセンター建設への投資は331%増を記録した。投資総額は数千億ドルに達し、提案されている計画の多くは実現不可能とさえ指摘されている。

データセンターの整備を断念する場合も

Google、Meta、Microsoft、Amazonなどの大手テクノロジー企業は、2025年も大規模な設備投資を計画している。さらに、米ドナルド・トランプ政権は、1月にOpenAI、Oracle(オラクル)、ソフトバンクなどと発表した「Stargate Project」を通じて、AIインフラ整備を政策の中心に据えている。

非営利団体であるMediaJusticeの活動家のDanny Cendejas氏は「毎週のように、地元のデータセンターに反対したいという人々に出会う」と語っている。例えばミシガン州では住民が州議会前で抗議活動を展開、ウィスコンシン州ではMicrosoftが計画していた244エーカーのデータセンタープロジェクトを断念した。

これに対し、テクノロジー業界も反応しているという。National Artificial Intelligence Association(NAIA)は議員への働きかけを強化し、Metaは経済効果を訴える広告キャンペーンを展開している。12月24日付のTechCrunchがレポートしている。