大阪・関西万博の総括は?  答える人 関西経済連合会会長・松本 正義

日本と世界をつないだ万博

 ―― 大阪・関西万博は、延べ2500万人を越える来場者が訪れるなど、一定の成果があったと思います。改めて、万博の感想から伺えますか。

 松本 開幕前はパビリオン建設が遅れるなど、不安視されていた面もあったのですが、半ばごろから大変多くの方にご来場いただきました。特に真夏の猛暑では、暑さ対策などの課題もありましたが、迅速に真面目に対応していきました。こうした努力もあって、徐々にマスコミやSNS(交流サイト)を通じて評判が評判を呼び、どんどん盛り上がっていったように思います。

大阪・関西万博で新技術が続々 関西発の”つなぐ”思想を世界に!

 各国のパビリオンの展示内容を見ても、非常に魅力的なものが多かったと。皆さん手をかけて、面白く、分かりやすくプレゼンテーションしていました。ここから大きな発見があったと思いますし、特に子供たちは世界にはこれだけの国々があるんだと。シーイング イズ ビリービングで、世の中は広いなということを感じて、自分なりの世界観を持っていただいたのではないかと思います。

 ―― 国と国をつなぐ役割を果たしたということですね。

 松本 ええ。それに世界中から要人が来てくれて、われわれも昼食会や晩さん会を通じて、様々なコミュニケーションをとることができました。各企業や経済団体レベルで、各国とのビジネスのジョイントや提携話も沢山あったと思います。

 そういう意味では、単なる展示物をお見せしただけでなく、日本の企業や大阪の企業とも手を組んで、何か新しいことを一緒にやっていこうという動きにつながっていったことは大変良かったと思います。

 開催期間中の半年間には大きな事故もありませんでしたし、2500万人超のお客さんが訪れ、運営的にも黒字になりそうだということで、メディアでも成功したと報道されていますが、わたしも今回の万博は成功したと言っていいと思いますね。

 ―― あとはどのような形でレガシー(遺産)を残していくかですね。

 松本 レガシーはこれから政府、大阪府・市や産業界が一体となって議論していくべき問題です。モノや技術をいかに残していくかはもちろんのこと、システムとしての観光というものも、今後に生かさなければならない大きなテーマだと思っています。

 ただ、わたしは今回、万博を開催したことによって、大阪という地名だけでなく「関西」という言葉を世界中の方に知ってもらったことの意味は非常に大きかったと思います。

 ―― なるほど。大阪・京都・神戸の3大都市ではなく。

 松本 ええ。わたしは関西観光本部の理事長ですから、関西2府8県(福井県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県)が連携して、観光振興に取り組もうということで、いろいろな活動をしてきました。

 海外の人たちにとって、大阪や京都、奈良という都市名は知っているかもしれませんが、関西を知っている人はそんなに多くないと思うんですよね。でも、例えば、フランスならプロヴァンス地方は、ヨーロッパの人たちにとってバカンス旅行の定番だと知られているわけですよね。だから、わたしは今回の万博を機に、関西という地域を見直してほしいと。

 これまでも世の中に対して、関西という名前を広めていく努力はしてきましたけど、今回の万博を通じて関西の知名度が向上したことは、非常に意味のあることだったと思っています。

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