富士通と東京大学は12月24日、AI需要に応じたデータセンターにおける消費電力の増加に対し、電力と通信を統合的に運用して電力需給を最適化する「ワット・ビット連携」の技術開発および社会実装に向けて、データセンター間で計算処理の負荷を他拠点に移動させるワークロードシフト技術の検証に関する実証実験を、2026年1月5日から2026年3月31日まで共同で推進することを発表した。

実証の背景

近年のAI需要の高まりを受け、データセンターでの計算処理と電力の需要が拡大している。しかし従来のデータセンターは都市部に多く、立地の偏在による電力需給のひっ迫や大規模災害時のリスクなどが課題となっている。

また、世界的なエネルギーサプライチェーンリスクの高まりや、エネルギー安全保障の観点からも、再生可能エネルギー電源周辺地域での電力需要の最適化が注目されている。

こうした背景から、再生可能エネルギー電源周辺地域を中心にデータセンターを分散化し、電力系統状況を踏まえて電力需給バランスの最適化を図るというニーズが高まっている。

こうした取り組みは再生可能エネルギー活用の最大化にもつながり、日本政府が掲げる目標である「2035年までに2013年比で温室効果ガスを60%削減し、カーボンニュートラルを2050年までに実現する」への貢献も期待できるとのことだ。

技術検証の概要

東京大学柏キャンパスの情報基盤センターと、富士通の国内データセンターで稼働する「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」の計算環境を、コンテナ技術を用いてロケーションに依存せずに計算処理が可能かどうかを検証する。

さらに、電力会社と連携することで、系統負荷状況や電力市場価格などの電力系統状況と連動した地域間でのワークロードシフトの有効性検証についても実施する。

なお、今回の実証実験は10月に東京大学が東京電力パワーグリッドと発表した「グリーントランスフォーメーションに向けたワット・ビット連携プロジェクトの推進」の具現化に向けて実施されるものだ。

今後は電力需要に再生可能エネルギーを積極的に活用することで、カーボンニュートラルかつ持続可能なインフラ基盤の構築を推進し、グリーントランスフォーメーションへの貢献を目指すとしている。