BetaNewsは12月18日(米国時間)、「Visa says AI agents will complete shopping purchases for you in 2026 - BetaNews」において、決済サービスのVisaがAIエージェントによる取り引き実験の成功を発表したと報じた。

これは決済エコシステムを構成するパートナー企業と共同で実施された。この成功は消費者自らが購入手続きを行う現在の仕組みの終焉と、購買活動の中心にAIが存在する新時代の到来を告げているという。

  • Visa says AI agents will complete shopping purchases for you in 2026 - BetaNews

    Visa says AI agents will complete shopping purchases for you in 2026 - BetaNews

Visaが目指す新たな商取引モデル

Visaのシニアバイスプレジデント兼プロダクトおよびパートナーシップ成長責任者を務めるRubail Birwadker氏は、年末商戦を境に購買行動の様相が変化すると述べ、2026年にはAIによる自動化された購買の仕組みが広く普及すると強調した。Visaの調査によると、米国の消費者の約半数(47%)は商品価格の調査や評価など少なくともショッピングタスクの1つにAIを活用しており、オンライン店舗へのAI経由のアクセスが急増している。

この行動様式の変化がAIエージェントによる購買行動につながり、同社は「2026年末までに多数の消費者がAI主体の購入を行う」と予測している。この予測には、同社が30年にわたり培ってきた安全な決済サービスの存在が大きく影響している。この安全な基盤を活用することでAI対応コーマスの加速につながったとして、同社は2026年初頭までに新サービスを消費者に提供する目標を明らかにしている。

実験の概要とパートナー企業の取り組み

今回の実験では世界各地の100を超える協力企業が連携し、実際の環境でAI主体の取引が行われた。SkyfireやNekudaなどは試験運用を進め、商品の推薦から購入完了までを自動化する仕組みを構築しつつある。PayOSはオンライン小売企業向けに決済基盤を提供し、Rampは企業間支払いの効率化にAIを活用する取り組みを進めている。

Visaは一企業の独力ではこれら仕組みの構築はできないと断言。AI企業の新しいエコシステムを取り入れる必要性を強調し、新たな商取引圏の形成を促している。AI主体の購買活動が実用段階に入ったことで、商取引の仕組みそのものが変化しつつある。

国際的なAI取引基準の構築

VisaはAI主体の商取引を世界規模で広げるため、各地域の商習慣に合わせたサービスを展開する方針だ。アジア太平洋とEU地域では、2026年初頭にパイロットプログラムを開始する。中南米、カリブ海地域では今後1年をかけて主要加盟店が参加するAI対応コマースを展開。中東ではアラブ首長国連邦(UAE: United Arab Emirates)の顧客が不動産サービス料の支払いに使用できるようにする。

同社はこれら取り引きの基盤整備にも注力している。2025年10月にはパートナー企業と共同で「Trusted Agent Protocol」の導入を発表。取り引きのあらゆる段階でAIエージェントと加盟店との安全なコミュニケーションを可能にし、悪意のあるボットの回避を支援するという。

Akamaiもこの枠組みに参加し、自社の不正防止対策や認証技術を組み合わせてAIエージェントの安全性向上に寄与する。BetaNewsによると、この仕組みにより許可されたAIエージェントの特定が可能になるという。

AI対応コーマスの懸念と加盟企業の取り組み

VisaのAIエージェントを推進する姿勢に対し、BetaNewsは懸念点を伝えている。AIエージェントによる商取引の成功は購買時間の短縮につながり、売り上げを押し上げる可能性を秘めている。しかしながら、消費者視点から見ると衝動買いのリスク、分割払いの負担増など望まない結果につながるとの指摘だ。便利な道具ほどその取り扱いには注意が必要と言える。

Visaの計画は段階的に進行する見込み。米国に拠点を置くコングロマリット企業DiscoveryはAI支援ツールへの移行を進めており、英国に拠点を置くCheckoutもこれに追随する可能性があるという。大企業は周辺の取り組み状況を伺いながら、対応を進めるとみられる。AIエージェントによる商品購入を常識とする世界の到来が現実味を帯びつつある。