ソフトバンクは、建設現場や自治体の防災拠点、災害時の通信確保などBCP(事業継続計画)対策に対応するため、半径約300mの広域Wi-Fiエリアを即時に構築できるという可搬型の衛星通信サービス「SatPack」(サットパック)を、2026年1月中旬から提供開始する。

  • SatPack

    SatPack

SatPackは、ソフトバンクが提供する衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」スタンダードV4アンテナと、アライドテレシスの屋外用Wi-Fiアクセスポイント「AT-TQ6702e GEN2」、アンカー・ジャパンのポータブル電源「Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station」などを組み合わせてワンパッケージにしたソリューション。

工具なしで10分ほどで簡単に組み立てられ、あらかじめ必要なネットワークの設定がされているため、電源を入れるだけで即時にインターネットを利用できる点を特徴としている。なお、ソフトバンクのStarlink Businessの契約が別途必要となる。

  • SatPackのサービス概要

    SatPackのサービス概要

  • SatPackを収納したところ

    SatPackを収納したところ

SatPackで現場一帯の広域Wi-Fiエリア化と可搬性を両立し、平時・災害時を問わずに迅速な通信確保を可能にするほか、同梱のポータブル電源で停電時も約10時間稼働できるため、避難所や仮設拠点での緊急通信にも対応可能とアピールしている。

3つのユニットに分割することで、車載による現場間の移動だけでなく、利用者自身で設置場所を柔軟に変更可能。ダムやトンネル、高速道路などの工事現場や、災害現場、自治体の防災拠点、避難所の臨時ネットワーク構築にも適するという。山間部や通信インフラが整備されていない地域でも安定した通信を実現し、災害発生時の情報共有・避難所運営支援・自治体の初動対応など、BCP体制の強化にも寄与するとのこと。

ソフトバンクは同サービスの提供開始に先立ち、東北地方や九州地方にある、前田建設工業の2カ所の工事現場で2025年10月28日に運用性・通信品質を検証する実証実験を行い、サービスの有効性を確認したという。

甲田造成現場(福岡・みやま市)で行った通信性能の検証では、最大到達距離343m、高低差約±20mという地形でも通信可能で、広範囲な通信性能を実証。測定端末としてiPhone 14を使い、Googleが提供するインターネット速度テストと、Wi-FiアクセスポイントのRSSI値(電波強度)を測定した。

その結果、SatPack設置地点では下り187Mbps、上り46.2Mbps、RSSI -43dBmとなり、SatPackから最も遠く343m離れた地点(1)では下り38.7Mbps、上り17.0Mbps、RSSI - 78dBmという数値になったとのこと。見通しが良好であり、現場周辺にノイズ源となる電波が発生しないことを付帯条件としている。

  • 前田建設工業の甲田造成現場(福岡・みやま市)における実証実験の設置場所

    前田建設工業の甲田造成現場(福岡・みやま市)における実証実験の設置場所