Cloudflareは12月15日、2025年のインターネットトレンドを分析した年次レビュー「2025 Cloudflare Radar Year in Review」を発表した。330都市、125カ国以上に展開する同社のグローバルネットワークから得られたデータに基づくもので、AIクローリング活動の急激な増加などのトレンドが明らかになった。
9~10月を通じてトラフィックがピークに
第6回目の年次調査で、今回の調査期間は2025年1月1日から12月2日まで。Cloudflareは平均で毎秒8100万件以上のHTTPリクエストを処理し、ピーク時には1億2900万件以上に達する。さらに、毎秒約6700万件のDNSクエリに対応し、今年は複数のAI関連メトリクスを新たに導入した。
インターネットトラフィックは、4月中旬まではベースライン値の数パーセント内でほぼ横ばいだったが、5月を通じて成長し、8月中旬から加速。9月、10月、11月を通じて上昇し、通年では19%の成長でピークに達した。
Cloudflareの公開DNSリゾルバー「1.1.1.1」へのクエリデータに基づくインターネットサービスランキングでは、Google、Facebook、Appleがトップ3を占めた。上位10サービスは前回調査とほぼ同じ顔ぶれになった。
生成AIサービスのランキングでは、ChatGPT/OpenAIがトップを維持。2位はClaude/Anthropic、3位はPerplexity、4位はGoogle Geminiと続く。なお、Google Gemini、Windsurf AI、Grok/xAI、DeepSeekが初めてトップ10入りし、Claude/Anthropic、Perplexity、GitHub Copilotは順位を上昇させた。
クローラーのトラフィック動向では、Googlebotの圧倒的な存在感が際立ったという。Googlebotは検索インデックスとAIトレーニングの二重目的で使用されており、検証済みボットトラフィックの28%以上を占めるなど、他のAIボットのクローリング量を上回った。トラフィックは2月中旬から増加し、4月下旬にピークに達したが、いったん7月下旬まで減少した後、年末にかけて再び成長した。
AIボットのクローリング目的は?
OpenAIの各種クローラーも特徴的な動きを見せた。AIモデルのトレーニング用GPTBotは6月に最高レベルに達したが変動が大きかった。一方、ユーザーがChatGPTに質問した際にWebページを訪問するChatGPT-Userは、年間で持続的な成長を記録し、ピーク時のリクエスト量は年初の16倍に達した。2月中旬から週次パターンが顕著になり、学校や職場での利用増加を示唆している。
ChatGPTの検索機能用OAI-SearchBotは10月に向けて積極的なクローリング活動を開始し、10月下旬のスパイク時には年初の約5倍に達した。AnthropicのClaudeBotは前半で約2倍に成長したが後半は緩やかに減少、PerplexityBotは年末時点で年初の約3.5倍となった。
Cloudflareによると、AIボットのクローリングの目的は主に3つあるとしている。1つ目は、AIモデルの学習用にWebサイトのコンテンツを収集する「トレーニング」で、2つ目はAIプラットフォームで利用可能な検索機能のためにWebサイトのコンテンツをインデックス化する「検索」、3つ目はユーザーがチャットボットに質問した際に、その質問に答えるためにリアルタイムでWebサイトを訪問する「ユーザーアクション」だ。
このうち、圧倒的多数を占めたのは1のトレーニング目的。だが今年のレポートでは、3つ目のユーザーアクション目的のクローリングが劇的に成長していると報告している。2025年初頭は3つの目的の中で最も少なかったのが、年間を通じて成長を続け、12月初旬には21倍以上に増加したという。
HTMLコンテンツへのリクエストトラフィック分析では、AIボット(Googlebot除く)が平均4.2%、Googlebot単独が4.5%を占めた。Googlebotは年初2.5%から4月下旬に11%まで上昇し、その後5%で終了した。12月2日時点で、人間トラフィックは47%、非AIボットは44%となっている。
AIクローラーが最も頻繁に完全拒否されるユーザーエージェント
Cloudflareは7月、クロール対参照比率メトリクスを導入した。特定のAIまたは検索プラットフォームがWebサイトをクローリングする頻度と、実際にユーザーをそのWenサイトに誘導する頻度を追跡するメトリクスで、比率が高いと、Webサイトに実際の人間を送ることなく大量のクローリングが行われていることを意味する。
この分析では、Anthropicが最高比率を記録し、2万5000:1~10万:1の範囲となった。OpenAIは最大3700:1のスパイクを記録し、Perplexityは最も低い比率を示した。
robots.txtファイルの分析では、AIクローラーが最も頻繁に完全拒否されるユーザーエージェントであることがわかった。
GPTBot、ClaudeBot、CCBotに対する完全拒否指示が多数見られた一方、GooglebotとBingbotは部分的な拒否に偏っていた。Google-Extendedへの明示的な許可指示は年間で3倍に増加した。
ポスト量子暗号化されたトラフィックのシェアは倍増
AI以外のトレンドとして、ポスト量子暗号化とStarlinkの成長などにも触れている。ポスト量子暗号化されたトラフィックのシェアは、2025年初頭の29%から12月初旬には52%へとほぼ倍増した。
特に9月のAppleのソフトウェアアップデート後、iOSデバイスからのポスト量子暗号化対応リクエストが急増し、わずか4日間で2%未満から11%に増加。12月初旬には25%以上に達した。
SpaceX Starlinkの衛星ベースインターネットサービスのトラフィックは2025年に2.3倍に成長した。
20カ国以上で新たにサービスが開始され、アルメニア、ニジェール、スリランカ、シント・マールテンなどでは、サービス開始後数日でトラフィックが急増した。既存のサービス地域でも、ベナン(51倍)、東ティモール(19倍)、ボツワナ(16倍)など大幅な成長を記録した。







