【株価はどう動く?】「財政」と「国防」は足元の売り素材から、今後買い材料に転換

 ハネムーン相場後に一時、調整局面

 最近のマーケットの動きを振り返ると、2024年3月22日に4万1087円で一番天井、7月11日に4万2426円で二番天井を付けた後、約10カ月ほど高値圏での揉み合いがありました。

 特に二番天井後には日本銀行の利上げ、円急騰で8月5日に3万1156円という安値を付けました。

 ここが一番底となった後、25年4月7日にトランプ関税ショックで3万792円を付けて二番底が入りました。二番底が入ると、その後株価が上がると見ていましたが、その波動通りに株価は上昇し、11月4日に5万2636円という高値を付けて、その後急落したというのが短期の動きです。

 25年10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利しましたが、ここから「高市相場」が始まっていますが、11月4日に当面の天井を付けました。ちょうど1カ月上げたわけですが、これは波動です。

 いわば、これは「ハネムーン相場」でした。ハネムーンが終わったことで調整局面に入ったわけですが、この1カ月の上昇角度もかなり急でした。

 直近、株価がなぜ下落、調整したかというと「スピード調整」です。この調整のきっかけとなったのが、高市政権が行おうとしている財政と国防の大転換です。

 財政については、これまでは「財政均衡主義」が続いてきたところに、高市政権はプライマリーバランス(基礎的財政収支)にこだわることなく、必要があれば赤字国債も発行して積極的な財政政策を打つとしています。従来とは全く違う政策です。

 国防についても、日本は初めて、独自の国防政策を打ち出そうとしています。どちらの政策も株価上昇につながり、今後に向けて高市政権への期待は大きいわけですが、直近はこの2つが売り材料になっています。

 積極財政によって、今後当初の予算を大幅に上回る経済対策が打ち出される予定ですが、それを織り込んで長期金利が上昇し、一時最高値を付けています。

 もう1つの国防は、今までの内閣は台湾に関して明確な態度を示してこなかったのに対し、台湾有事は日本にとって存立危機事態になり得るという認識を示しました。

 恐らく、中国の習近平国家主席は動揺、激怒しているものと思います。台湾に侵攻した場合、米軍、日本の自衛隊と戦わなければならないことが示されたからです。それもあり、中国人に対して日本への渡航自粛を呼びかけたり、日本産水産物の輸入停止を打ち出し、経済的圧力をかけようとしています。

 これらは目先、株の売り材料となっています。しかし、これらの材料は大局観から言うと枝葉末節です。相場の調整が終われば、高市政権による財政と国防の大転換、「強い日本」を目指す政策を歓迎する相場が、いずれ始まります。

 では、調整局面の日柄、価格の目処はどこか。

 価格の波動では、4月7日の3万792円から、11月4日に5万2636円まで、2万1844円上げています。この3分の1押しが押し目の目処になりますが、これが4万5000円近辺です。

 ただ、足元で株価はこの水準にまでは下落しておらず、11月下旬現在は下げ止まってきている感じです。4万8000円近辺で底入れするならば、再び上昇するまでの時間は早いということになります。

 昨年7月11日の天井、4万2426円から、8月5日に3万1156円で底入れしたわけですが、この期間は1カ月弱です。この波動からすると、今の調整局面は続ても11月いっぱいまでで、12月相場入りから上昇してくるものと予想します。

 波動通りに反転、上昇してくるなら、今は金利上昇と対中国問題が売り材料ですが、今後は逆に買い材料となります。

 財政は、予想を上回る経済対策が出ることで株価は歓迎すると思います。国防についても、今までの首相や官僚であれば、中国に対して頭を下げただろうと思いますが、高市首相には謝る発想はないと思います。むしろ、日本の国防を強化するための具体的な政策を打ち出す可能性があります。

 先行きに何が起きるかはわかりませんから、リスクシナリオとして、3分の1押しである4万5000円も下回るケースも想定しておきたいと思います。半値押しの場合には4万2000円近辺です。

 私は最悪のケースでも4万円は割れないと見ていますが、この先、暴落局面があっても4万円を割れなければ強気の見方を崩すことはありません。4万円を割れると、長期の調整局面に入る可能性があります。

 高市政権と日銀の 関係はどうなる?

 25年11月18日に、高市首相と日銀総裁の植田和男氏が会談しました。2人だけで会談をするのは、高市首相就任後、初めてのことです。

 植田総裁は、昨年8月5日の株価暴落に懲りて、景気やマーケットに配慮しながら、極めて慎重に利上げをするものと見ています。そして、そのことを高市首相にも伝えたのだろうと思いますし、高市首相も納得したものと思います。

 そして、これは推測ですが、高市首相は植田総裁に対して、大事なことは連絡して欲しいといったことは要請したのではないでしょうか。両者ともに民間の出身ですから、コミュニケーションは取りやすいと見ています。

 どちらかが官僚だったら、うまくいかないでしょう。ですから今後も政府・日銀は良好な関係が続くと思います。

 これは米トランプ大統領と、FRB(米連邦準備制度理事会)議長のジェローム・パウエル氏との関係とは全く逆です。パウエル氏は官僚的、前例主義的な人物であり、それは前FRB議長のジャネット・イエレン氏と共通しています。

 どちらにしてもトランプ・高市時代の超インフレ相場は波高し、今後も急騰、急落ありの大波乱相場が予想されます。