第一三共ヘルスケアとNTTドコモビジネス(旧 NTTコミュニケーションズ)は12月10日、要指導医薬品の製品発売後に行うPMS(Post Marketing Surveillance:製造販売後調査)において、電子的調査を11月に開始したことを発表した。
要指導医薬品とは、効能・効果において人に対する作用が著しくなく、薬剤師などの専門家の情報をもとに購入者の選択により使用される医薬品であり、適正使用のために薬剤師による対面での情報提供と指導が必要となるものを指す。
両社は取り組みの第一弾として「ロキソニン 総合かぜ薬」(要指導医薬品)から導入し、今後、第一三共ヘルスケアでは他の要指導医薬品でも順次電子化を適用していく予定とのことだ。
両社の取り組みの背景
近年はセルフメディケーションの推進やOTC(Over The Counter)医薬品市場の拡大に伴い、要指導医薬品の安全性確保と適正使用の重要性が高まっている。要指導医薬品は薬剤師による対面での指導を前提とした販売が義務付けられており、一般用医薬品よりも厳格な安全性情報の管理が求められる。
医薬品は発売後に実際の使用状況や有害事象の情報を把握するため、PMSが不可欠。しかし、要指導医薬品において、従来のアンケート用紙による調査では購入使用者の再来店の手間や記入漏れ、販売店舗での回収と保管の負担、回収率の低さや集計業務の非効率性、情報収集の遅延など、多くの課題があった。
そうした中、8月に厚生労働省より「要指導医薬品の製造販売後調査等の実施方法に関するガイドラインにおける質疑応答集(Q&A)について」の通知が発出され、要指導医薬品の製造販売後調査において電子的調査が正式に認可された。
これにより、従来の紙面調査だけでなく電子的調査が可能となり、アンケートの早期回収や回収率の向上、ペーパーレス化による環境負荷の低減、購入使用者と販売店舗双方の負担軽減などが期待される。
2社の連携の概要
今回の取り組みでは、NTTドコモビジネスが提供するデータ収集サービス「SmartPRO」を活用し、要指導医薬品の製造販売後調査における電子化を実現した。SmartPROは臨床試験などにおけるインフォームド・コンセントと、PRO(Patient Reported Outcome:臨床試験において被験者や患者から直接得られる経過や症状に関する主観的評価)収集、アンケート調査のデータ収集を管理するWebサービス。
同サービスはスマートフォンなどからアンケートに回答可能で、購入使用者(回答者)、薬局、製薬企業それぞれの負担軽減に貢献する。購入使用者は製品のパッケージに貼付された用紙に記載された二次元コードから、自身のスマートフォンなどを用いて回答をスムーズに完了できる。直感的な操作画面、入力漏れ防止機能、リマインド通知などにより、調査の品質と回答率向上の両立に寄与する。
今回の施策では、SmartPROを要指導医薬品の製造販売後調査に導入することで、従来のアンケート用紙による調査や販売店舗における調査で課題となっていた「低い回収率」「集計業務の非効率性」「情報収集の遅延」などの解決を目指す。
