ソフトバンクとSynapSparkは、スマートビルの基盤となる“ビルOS”「synapsmart」(シナプスマート)を2026年3月に提供開始する。新築・既存のいずれも導入でき、複数のビル・拠点の横断的な管理も可能。今後はAI活用や外部システム連携も視野に入れる。
ビルOSソリューションであるsynapsmartは、AI(人工知能)やIoTなどを活かし、ビル管理業務のさまざまなデータを管理・連携・機能拡張していくことで自律的に進化する「Autonomous Building」(オートノマスビルディング)の実現に向け、そのデータ連携基盤として提供するもの。ソフトバンクが法人顧客向けにsynapsmartを提供し、SynapSparkが販売活動や導入に伴う構築・運用支援を一貫して担当する。
ビルの運営には、利用者の快適性・安全性の確保に加え、運営の効率化や環境負荷の低減などが求められる。AIやIoT(Internet of Things)などを活用し、設備データを一元管理するスマートビルが注目を集めるが、現状は個別に稼働する設備やシステムを抱え、各データが連係していないため、ビル全体の最適な運用が難しいという課題があった。
synapsmartは、ソフトバンクが持つICT(情報通信技術)やデータ基盤に関する技術、ソフトバンク本社が入居する「東京ポートシティ竹芝」でのスマートシティの取り組みを通して得た知見に加えて、スマートビルの構築支援などを行うグループ会社・SynapSparkが持つ建築設計、都市開発の専門知識、ビル設備・運営に関するノウハウを生かして開発。最小限の改修でビル内のあらゆる設備やシステムをネットワークで接続し、データを一元的に可視化して管理することで、運用業務の省人化やエネルギー消費の削減に寄与するとしている。
また、データに基づく室内環境の最適化やオフィススペースの効率化、人流データを活用した販促活動を可能にすることで、ビルに入居する企業や飲食店などのテナントの運営効率の向上、テナントの従業員や来訪者の満足度向上にも寄与するとのこと。
synapsmartは新築ビルと既存ビルのいずれにも導入可能で、単一のビルだけでなく、複数のビルや拠点のデータの横断的な管理にも対応する。主な特長は以下の通り。
ビル内のデータを“見える化”
ビル内に設置された空調や照明、防犯カメラ、センサーなどの設備データに加えて、人流や環境データなどのIoTデータを自動で収集して一元管理。ビル管理者は、データが可視化された管理画面でリアルタイムにビル全体の状況を把握でき、データに基づいて照明・空調の制御や設備機器の遠隔制御などのビルの最適な運用に生かせるとする。
セキュリティ基準に準拠した高信頼性クラウド基盤上で運用することで、設備やセンサーの増減や複数ビルの一元管理などにも柔軟に対応。システムや機能の更新も、遠隔で迅速に実施できるようにする。
設備トラブルなどの異常を自動通知
ビル内の設備トラブルやセンサーからの警報を、あらかじめ設定した重要度レベルに基づいて判別し、緊急性の高いアラートをオーナーやビル管理者などの関係者へ速やかに通知。スマートフォンへの通知も可能で、管理室などにいなくても異常検知できるとする。今後はスマートフォンから管理画面にアクセスできるようになり、遠隔での監視や制御にも対応する予定。
脱炭素経営支援
エネルギー使用量やCO2排出量を管理画面上で可視化。週次・月次・年次単位でエネルギー使用量をレポート化でき、環境報告書などにも利用できるとする。また、複数のビルのデータを横断的に集計し、脱炭素やコスト削減に向けた取り組みの分析にも活用可能とする。
今後はAIを活用した分析や予測機能を搭載することで、これまで属人化されていた業務や意思決定の標準化を図る。また、LINEミニアプリをはじめとするさまざまなアプリケーションとの連携により、運用のさらなる効率化・高度化を推進。地域の防災情報や交通情報などの外部データとの連携も進める。synapsmartの機能とサービスを進化させ、ビルオーナーや管理者、入居者が抱える課題やニーズに応じた柔軟で付加価値の高いビル運営の実現をめざす。

