FRONTEOは12月9日、企業内に埋もれた情報資産を整理し、組織のナレッジマネジメントを支援するソリューション「KIBIT Libria(キビット リブリア)」の提供を開始したことを発表した。同ソリューションは製造業や建設業など計7企業で実証実験が行われており、本格導入に向けた検討を進めているという。
ソリューション開発の背景
近年は多くの企業がデジタル技術の活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に取り組んでいるものの、十分な成果を得られていない状況が指摘されている。ガートナージャパンによる調査では、データ利活用の取り組みに対して「全社的に十分な成果を得ている」と回答した企業はわずか8%にとどまり、「データ活用環境の整備」と「成果創出」の間に大きなギャップがある実態が示された。
FRONTEOは、その主要因が「DX推進に活用可能な社内データに対する網羅性、およびデータアクセスの有用性」にあると考えているとのことだ。複雑な組織構造、レガシーシステムによる弊害、部門間のセクショナリズムなどにより、社内データは部門やシステムごとに分断され、横断的なアクセスや統合的な整備が進んでいない。その結果、意思決定の経緯や専門知識など企業価値向上に資する重要な情報が埋もれ、企業の知的資産として十分に活用されていない。
KIBIT Libriaの概要
同社はこうした課題を解決するため、「KIBIT Libria」を開発。非構造ドキュメントデータを効率的に整理し、企業内に蓄積された知見を価値あるナレッジとして可視化し再利用できるよう支援する。
知見の共有、業務プロセスの高度化と標準化、属人化の解消、意思決定の質とスピードの向上を実現し、企業の生産性向上に貢献するという。
「KIBIT Libria」はFRONTEOが開発した特化型AI「KIBIT(キビット)」のコア技術である自然言語処理を活用し、社内に散在するさまざまな非構造ドキュメントデータを使えるデータ資産として再構築する。
「社内にノウハウやデータは存在するものの十分に活用できておらず、会社の資産になっていない」という企業が抱える課題を解消し、データドリブン経営の実現を支援するとのことだ。
KIBIT Libriaの特徴
同ソリューションは専門知識を持たなくても使える自然言語処理機能で、非構造ドキュメントデータの探索基盤を構築する。PDFやオフィス文書(Word、Excelなど)の多様な形式のドキュメントデータの取り込み、加工が可能。また、網羅的な探索を実現する。
類義語登録やストップワード(助詞や指示語など文章中に頻出する一方で、検索・解析上の重要度が低く処理対象から除外する単語)登録も容易で、専門知識がなくても運用可能な設計とした。
コア技術KIBITによる類似文書検索で、「埋もれた情報」の発見をサポートする。単なるキーワード検索だけではなく、文書全体の類似性をAIが解析し、関連資料を探索できる。「言い回し」が異なる資料でも、内容の近さから関連資料を抽出し、探索漏れを防止するという。テキスト全体を対象として網羅的に関連性を評価し、これまで見落としていたナレッジ(新たな気づきや業務改善のヒント)発掘をサポートする。
さらに、専門用語や固有表現の多い領域でも、FRONTEOが導入と運用を支援し、高精度な情報探索と判断支援を実現するとのことだ。領域特化型ナレッジベースを構築し、一般的な生成AIで発生しがちなRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)課題による探索精度の低下を回避する。企業固有の専門的な文脈を反映した運用により、正確な探索とナレッジ発掘を実現している。
同ソリューションによって蓄積されたナレッジをQAデータ化することで、教育コンテンツとして活用できるようになり、社内教育や技能伝承にも利用可能だ。暗黙知を継続的に蓄積し、持続的な技能伝承推進を支える知識資産として定着も期待できる。
