The Registerは12月3日(現地時間)、「Windows 11 growth slows as millions stick with Windows 10 • The Register」において、Windows 10のシェアが予想より高止まりしている理由を解説した。
Windows 10のサポートは10月14日に終了しており、その後の継続利用にはセキュリティリスクがある。安全面を考慮したユーザーを中心にWindows 11への移行が急増するとみられていたが、現実は予想に反して変化に乏しいことがわかった。その理由を専門家のインタビューを交えて解説している。
Windows 10のシェア推移
Windows 10のシェアはStatCounter調べにおいて、8月末時点で46.19%、9月末で43.78%、10月末で41.71%、11月末で42.7%となった。8月から10月は順調に下落し、この下落幅とほぼ同率でWindows 11のシェアが上昇した。しかしながら、11月に入るとWindows 10のシェアがわずかに上昇し、Windows 11のシェアが下落した。
11月の特異的なシェアの変動については統計の取り方などによる偶然の可能性があり、今回の解説では評価の対象外としている。今回は下落幅が一定で、Windows 11へのアップグレードが加速していない理由を分析している。
Windows 11への移行が一定割合を保つ理由
The Registerによると、MicrosoftおよびPC製造各社はWindows 10のシェアが急速に縮小し、Windows 11との差が大きく開くとの予想を立てていたとされる。しかしながら、実際は予想と異なり、一定割合で移行が進む結果となった。
その原因について、The RegisterはLansweeperの主席テクニカル・エバンジェリストを務めるEsben Dochy氏と、Omdiaのリサーチマネージャーを務めるKieren Jessop氏にインタビューを実施。両氏の意見をまとめた概要は次のとおり。
- 一般ユーザーと企業では原因が異なり、複雑な要因が絡み合っている
- 一般ユーザーは経済的理由や、壊れるまで使い続ける心理的傾向が影響した
- 企業は管理プロセスの遅延が大きく影響した。一部はESUを戦略的に活用し、故意に遅延させている
特に、大企業では故障による業務停滞や、管理コストの抑制などを目的にPCを一定のサイクルで更新している。Windowsのサポート終了のような突発的な事案はこのサイクル外で発生するため、その都度更新するとPCの時間単価の上昇および管理コストの増加を招くことになる。
そこでESUを活用して通常の更新サイクルを待ち、PCの更新とOSのアップグレードを同時に実施するコストの抑制策を採用することがある。これが企業の故意による遅延とされる。
この戦略は新しいWindowsに特別な要素や魅力があれば停止され、早期の更新が実施されるという。ところがWindows 11では戦略が維持されており、それだけの魅力がないことになる。
Dellの最高執行責任者(COO: Chief Operating Officer)を務めるJeffrey Clarke氏は電話会議の中で「以前のOSサポート終了時と比較すると、Windows 11は前世代と比較して10~12ポイント遅れています」と述べたとされる。この遅れの原因は定かでないが、Windows 11への移行は今後も緩やかに進むとみられている。

