調査会社のBloombergNEFによると、米国のデータセンターによる電力需要が従来の予測を大きく上回るペースで拡大しているという。12月1日に発表した最新の分析によると、2035年までに米国のデータセンター電力需要は106GW(ギガワット)に達する見通しだ。
データセンターの開発は都市部から離れた地域に移行
2035年までのデータセンターにおける電力需要が106GWという予想は、4月に発表した見通しから36%上方修正した。BloombergNEFは「このセクターがいかに急速に拡大しているかを示している」と分析。参考までに、1GWは約75万から100万の米国の世帯に電力を供給できる規模となる。
106GWという予測でさえ、他の主要機関の予測と比較すると控えめな数字となっている。Goldman Sachsやボストンコンサルティンググループ(BCG)、McKinsey(マッキンゼー)など複数の調査機関は、さらに高い需要予測を示している。
今回の調査から、相互に関連する大きなトレンドが浮き彫りになったようだ。施設規模の拡大に伴い、データセンターの開発は都市部から離れた地域へと移行しており、BloombergNEFは「米国のデータセンターは通常、主要都市から30マイル以内の郊外エリアに立地している」とのこと。
大手テック企業の設備投資は前年比71%増
施設の大規模化も指摘する。既存データセンターのうち容量50MW(メガワット)を超えるのはわずか10%に過ぎないが、現在開発中の施設の大半は100MW以上となっている。さらに、GW規模の施設が今後数年以内に稼働を開始し、その後も続々と登場する予定だ。
背景にあるのは、いうまでもなく大手テック企業の需要、そしてドナルド・トランプ米政権によるAI競争の後押しがある。Barclaysの試算では、Meta、Google、Amazon、Microsoft、Oracleの5社による今年の設備投資総額は約3900億ドル。これは、前年比71%増であり、今後さらに増加が予想されている。
また、米国エネルギー省と連邦エネルギー規制委員会は、データセンターの送電網接続を加速させる新たな政策にも取り組んでいるという。
BloombergNEFは、電力需要の急成長は摩擦も生んでいると指摘する。全体的なエネルギー需要の増加に伴い、局所的な送電網への負担や、より広範な電力システムの問題に対する懸念が高まっているというのだ。
実際、一部地域では電力価格の上昇などさまざまな理由により、データセンターに対する反発が見え始めているという。Axiosが12月1日付けで報じている。
