
日本再生へ向けて
自分たちの潜在成長力をどう掘り起こしていくか? 日本が近代化を果たすきっかけとなった明治維新(1868)。その維新はまさに、日本が欧米列強の植民地になるかどうかの危機の中で実現した。
若い世代が力を合わせ、その身を捨てて新しい世を創ろうと一致団結して行動したからこそ維新の大業が成し遂げられた。そして、その背景には、日本はこのままではいけないという危機感があった。
維新から77年後に、日本は敗戦国となる。文字通り、焦土からの復興であった。GHQ(連合国軍総司令部)の統治下で戦後復興を果たし、1952年(昭和27年)に主権を回復。
1968年(昭和43年)には、西ドイツ(現ドイツ)を抜いて、米国に次ぐ、自由世界第2位の経済大国となった。
その後、石油ショック、日米貿易摩擦などの試練を経験し、1990年代初めにバブル経済が崩壊。〝失われた30年〟と呼ばれる低迷期に突入した。
そして戦後80年の今年10月、高市早苗・政権が誕生。日本再生、社会保障制度改革、さらには外交・防衛力の強化など、重い課題を背負っての新内閣スタートである。
危機感を推進力に…
〝失われた30年〟の間は、日本はまさに〝茹でガエル〟状態であった。ぬるま湯に浸かり、前向きな精神も萎え、その間にGDP(国内総生産)は4位に転落。IMF(国際通貨基金)によると、1人当たりGDPランキングでは、38位という状態。ちなみに、韓国は36位、台湾は37位で、日本は後塵を拝している。
日本が低迷したのは、明治維新時や敗戦時に比べると危機感がないからだという声もよく聞かれる。
しかし、筆者が取材したり、経済人や経営者に直接会って話をすると、多くの人が危機感を持っていると感じる。危機こそ、自分たちのこれまでの生き方や考え方を変革するチャンス─と言う経済人は多い。
古典にも、『名を成すは毎に窮苦の日に在り 事に敗るは多く得意の時に因る』とある。苦しい時こそ、人は事の本質に目覚め、努力する。得意絶頂にある時こそ大体失敗することが多い。
バブル経済も日本がおごり高ぶっていたからそうなったという要素もある。足元をしっかり固め、ファクト(事実)や本質を見極めながら、物事に取り組むことが大事ということであろう。