日本IBMは12月2日、NTTデータグループがAI開発、サービス案件に関わるリスク管理業務において、AIガバナンスプラットフォームの「IBM watsonx.governance」を採用したと発表した。これにより、NTTデータグループは急増するAI開発案件に対応するためのリスク管理体制を強化し、安全・責任あるAI活用を推進するという。
「IBM watsonx.governance」導入の背景
NTTデータグループは、コンサルティングからシステムづくり、システムの運用に至るまで、世界70ヵ国以上でさまざまなITサービスを提供している。同グループでは、積極的なAI活用を支えるため、AIのリスクやガバナンスを統括する専任組織としてAIガバナンス室を設置。
AIガバナンス室では、AIガバナンス体制の整備、AI指針・ポリシー策定、生成AI利用ガイドラインを作成・展開し、グループ会社におけるAIガバナンスの推進を支援している。また、急増するAI開発やサービス提供案件に対して、プロジェクトごとのリスク審査、リスク回避・リスク軽減策の提示などのアドバイザリー業務も実施している。
一方、IBMは2018年に「信頼と透明性の原則」を公表し、AI倫理委員会を設置してグローバルで運用するなど、社内および顧客への本格的なAIガバナンスの取組みを促進している。また、日本IBMはAIガバナンスを「AI活用を前進させるための適切なガードレールの設置・運用」と位置付け、顧客のAIガバナンス確立に向け、組織・プロセス観点、システム観点の両面で推進している。
導入の決め手とは
こうした取り組みを踏まえ、NTTデータグループは、2025年8月に日本国内のAI開発案件のリスク管理体制の強化に向けて、AIリスク管理プラットフォームとしてwatsonx.governanceを導入し、運用を開始。
watsonx.governanceは、AIリスク評価、ライフサイクル管理、コンプライアンス運用のプラットフォーム機能を備え、システム全体の視点からAIガバナンスの確立を推進するプラットフォームだ。今回、IBMのAIガバナンスに関する支援事例に加え、業務に合わせたプラットフォームの柔軟性、AI連携の拡張性を評価した。
現在、NTTデータグループでは、watsonx.governanceを通じて、案件単位のAIリスク管理に適したデータ、モデルを構築し、AI開発・サービス案件の一元管理、処理漏れ防止、集計の省力化を達成できる体制を実現しているという。
今後、日本IBMはコンサルティングサービスを通じた組織やプロセスの設計支援、watsonx.governanceなどの製品やソリューションの提供を通じたシステム構築の支援を行い、日本企業のAIガバナンス体制の確立に向けた支援を強化していく考えだ。