富士通は11月28日、独・SAP Fioneerとの戦略的パートナーシップに基づいて開発した、保険業界の基幹業務を支える次世代プラットフォーム「Fujitsu Cloud for Insurance Japan Edition」(以下、新プラットフォーム)を、11月末より国内向けに提供開始することを発表した。

“日本特有の性質”に対応した基盤プラットフォームが誕生

現代の保険業界では、急速なテクノロジーの進化や少子高齢化、FinTech企業の参入などさまざまな要因が絡み合い、顧客ニーズや競争環境の劇的な変化に直面している。また既存システムの老朽化・ブラックボックス化やIT人材不足、ガバナンス強化の重要性拡大なども喫緊の拡大であり、業界全体としてのDXへの取り組み加速は不可欠だという。

その対応策のひとつとして、世界標準の基幹業務プラットフォームの導入が進みつつあるとのこと。しかしこれらの日本市場に導入するには、保険会社側で日本市場向けにプラットフォーム自体をカスタマイズする必要があるなど、課題は多く残されていた。

そこで今般富士通は、グローバル市場で豊富な実績を有するSAP Fioneerが保険ビジネス向けに提供する「SAP Fioneer Cloud for Insurance」をベースとして、日本市場特有の業務プロセスや法規制などに対応した機能・テンプレート、外部とのデータ連携機能などを独自開発し拡充した、日本保険業界向けの新プラットフォームを開発。金融機関のデジタル変革を加速させ社会課題解決に貢献するため同社が提供する「Uvance for Fujitsu」として提供するとしている。

  • 新プラットフォームで提供予定の機能例

    「Fujitsu Cloud for Insurance Japan Edition」で提供予定の機能例(出所:富士通)

またその第一弾として、保険種目に関わらず使用する言語設定などの共通機能・業務プロセスや、代理店型保険およびネット型保険のいずれにもニーズの高い自動車保険向けの機能を中心としたプラットフォームの提供を開始することが発表された。

なお新プラットフォームは、SAP Fioneerが提供する基盤プラットフォームと独・SAP SEの基盤技術「SAP Business Technology Platform」の上で稼働するものだといい、導入から運用サポートまでは富士通が国内からきめ細かくサポートするとのこと。日本市場の保険商品構造に応じた商品テンプレートや、見積書から申込書の発行、各種割増引などのカスタムアプリケーション、外部への連携データ作成といったアドオン機能の提供により、日本独自の要件や商慣習に応じた素早い実装を支援するという。

また同社は、日本の保険業界に求められる機能が標準搭載されるため、最小限のカスタマイズでの実用およびきめ細かいサポートによってメンテナンシビリティの向上にも寄与するとしている。加えて業界を通じた標準的プラットフォームの導入を経ることで、業界共通の業務やそれを支えるシステム開発などの“非競争領域”におけるTCOを削減し、保険会社が新サービスや顧客体験の提供といった競争領域に注力することを支援するとした。

富士通は、今後の新プラットフォーム提供において、自動車保険をはじめとするあらゆる保険種目に対応したサービスの拡充を進め、日本の保険業界の商品・チャネル・プロセス変革やガバナンス強化を推進していくとのこと。そしてUvance for Fujitsuを通じ、保険業界におけるビジネス変革の促進を実現し、より良い暮らしを支える金融の未来づくりを前進させるとしている。