運航休止のANA、史上初の路線就航のJAL、LCCで明暗

航空大手2社の25年4―9月期の連結決算では、国際線でインバウンドを中心に旅客需要が好調だったほか、ビジネス需要も回復し、ANAホールディングス(HD)も日本航空(JAL)も売上高が過去最高となった。そんな国際線が好調な両社だが、LCC(格安航空会社)では明暗が分かれている。

 成田とバンコク、ソウル(仁川)、シンガポールに就航していたANAHD傘下のLCC「エアージャパン」が26年3月28日で運航を休止。同社は小型機を使って短距離を多頻度運航するLCCとは異なり、LCCとフルサービスキャリアのANAの中間にあたるミドルコストキャリア(MCC)として24月2月9日に就航を始めていた。

 25年3月期通期の同社の売上高は117億円で、25年4―9月期の中間決算の売上高も49億円と順調に推移していた。その矢先での運航停止。理由は業績悪化ではなく、機材や人員の確保。ロシアによるウクライナ侵攻が尾を引いているのだ。

 ウクライナ紛争の影響で、依然として日本などの西側諸国の航空会社はロシア上空を迂回して飛行しなければならない。その結果、飛行距離が大幅に増加。ANAの場合は24年末から25年2月にかけて日本発の欧州3路線を新規就航していた。そのため、グループ全体の機材の分配が難しくなったという。

 一方でJAL傘下のLCC「ZIPAIR Tokyo」は史上初の直行チャーター便を就航させる。行き先は米フロリダ州オーランド。「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」へのアクセスが乗り換え不要となる。26年2月から3月にかけて計4往復8便を予定する。

 フライト時間は約13時間で、一般的だった経由便(20時間以上)に比べて大幅な時間短縮となる。「これがうまくいって自信がつけば、次のステップとして定期便の可能性も見えてくる」と社長の西田真吾氏は語る。同社は他のLCCと一線を画し、長距離機材で米国西海岸を主力路線とする。運賃はJALの3分の1以下でありながら同社の倍に迫る利益率を実現している。

 22年2月から始まったウクライナ戦争は3年半が経過した今でも企業経営に影響を与えている。

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