【財務省】片山大臣の発信力に期待高まる 一方で歳出増の懸念も

片山さつき財務相の存在感が高まっている。就任直後の職員への訓示では、旧大蔵省主計官出身の片山氏がかつて省内の怖い上司をランキングした「恐竜番付」に名を連ねていたのを踏まえ、「恐竜になる年ではないので安心してください」と笑顔で語りかけて話題になった。

 また、10月下旬に来日したベッセント米財務長官との会談を巡り、会談直後、片山氏は記者団に「金融政策については直接的な話題にはならなかった」と説明したが、米政府はその後、ベッセント氏が会談で日銀の金融政策に言及したと公表。

   

   片山さつき・財務相

 10月28日の閣議後会見で日米当局の”ズレ”について聞かれた片山氏は「(ベッセント氏は)一般論として言っただけ」で議論はしていないとし、「(日銀に利上げを)促すということではなかったのではないか」とも述べた。片山氏の財務相起用に当初財務省内には衝撃が走ったが、今では大臣答弁は「安定感も発信力もある」(幹部)と好意的な受け止めが広がる。

 一方、片山氏に対する不満も政府・与党内でくすぶる。半世紀にわたり続いてきたガソリンと軽油の暫定税率について、ガソリンは12月31日、軽油は来年4月の廃止が決まったが、廃止に伴い不足する約1.5兆円の財源確保は先送りされた。

片山氏は財源に関して、高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」を繰り返すのにとどまったことで、財務省内では”先輩”への期待がしぼみ「これを機に歳出増が進むかもしれない」(主計局中堅)と警戒を強めている。

 今後は日銀との連携も焦点になりそうだ。日銀は政権発足直後の10月会合では利上げを見送ったが、12月の利上げを模索する。これまでと違い、政策金利を0.75%に引き上げれば市場へのインパクトが大きい。今後も国内外で片山氏の手腕に注目が集まるのは間違いなさそうだ。

慶應義塾大学教授・土居丈朗「トランプ関税の影響は2026年頃から。日本は自国産業の強化を!」