NECとカンボジアの地雷除去活動を担う公的機関であるカンボジア地雷対策センター(CMAC)は10月30日、JICAの協力の下、地雷による犠牲者根絶を目的に迅速・効率的な除去作業に貢献するため、AIを活用して紛争地に残存する地雷埋設エリアを予測する実証を行ったことを発表した。実証の結果、実際に埋設されていた位置との合致率が90%を超える高精度な予測を実現したという。
地雷に関する背景
地雷の使用は世界で今なお人道的な問題であり、特に紛争後の国々で長期にわたり地域社会や経済発展を阻害している。推定では約1億人が地雷の脅威にさらされており、90分に1人が地雷によって命を奪われている。
カンボジアでは1970年代から続いた内戦により各地に多数の地雷が埋設され、長年にわたる懸命な除去作業にも関わらず現在も一部地域に残存地雷が存在している。これらの地雷は農地や居住地域の利用を妨げ、復興・開発に向けた最大の障害となっているという。
カンボジア政府は、1997年に署名したオタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に基づき、2030年までにカンボジア国内における地雷除去完了を目標に掲げている。達成に向けては、AIなどの先進技術を活用し調査時間を短縮することが期待されている。
実証の概要
今回の実証は、カンボジアの地雷原のうち約100万平方メートルを対象としたもの。
CMACが保有する既に発見された地雷埋設位置の情報や住民からの提供情報、河川・山岳地帯や工場・重要建物の位置などのオープンデータをもとに、NECのAIで有効な情報の選択と分析を行い、地雷埋没の可能性が高いエリアを高精度に予測した。
従来は膨大かつ未整理の情報をもとに、多くの人が時間をかけて行っていた地雷埋設可能性エリアの特定を、AIの活用により少ない人員で迅速に行うことが可能になり、迅速・効率的な地雷除去を支援できる可能性が実証された。
NECは今後、AIのさらなる精度向上に努めるとともに、CMACとともに日本政府と国際機関の連携を強化しながら、カンボジアにおける2030年の地雷除去完了に向けて取り組みを加速させる。
