LegalOn Technologiesは10月22日、新会社「On Technologies」を10月1日付で設立し、法務領域以外の業務向けにAIソリューションを提供開始することを発表して記者説明会を開いた。合わせて、コーポレートロゴの刷新と、ドイツのガバナンスAI企業「Fides Technology」のM&Aについても発表された。
コーポレート・製品ロゴをリニューアル
同社はコーポレートロゴと、法務業務を支援するAIソリューション「LegalOn」の製品ロゴをリニューアルする。この新しいロゴはグローバル共通で、グローバル市場の中でリーガル領域における最高のソリューションとなることを目指して設計されたという。
ロゴのデザインは、塗りつぶされた円によって「Legal」と「On」の間に視覚的な区切りを設けるとともに、専門性のスイッチを「オン」にすることを意図している。これにより、法務の世界にテクノロジーの力で新しい価値を「オン」する意思を表現したとのことだ。
新会社On Technologiesは法務以外の領域へ事業展開
LegalOn Technologiesは既存事業である法務領域向けのAIソリューション展開で培った専門性の高いAIの開発力を生かし、法務以外の新たな領域での事業拡大を目的として、On Technologiesを設立した。
新会社は「Expertise Specific AI(専門分野特化AIサービス)」をコンセプトに、業務の専門性とAIを組み合わせたソリューションを展開する。法務に加えて、コーポレート、営業、エグゼクティブ、人事、ファイナンス、ITセキュリティ、マーケティングなどに特化したAIを提供する。
CEOの角田望氏は「日本の業務の現場では、AIの活用が個人にゆだねられているため、活用が進みにくい。On Technologiesでは専門業務にフィットしたAIを展開するが、人間が使うか使わないかを選ぶまでもなく、人の操作を前提としないAIソリューションとして開発していきたい」と、展望を語っていた。
現在、同社グループは法務領域では「LegalOn」、コーポレート領域では「CorporateOn」を提供している。2025年度中には、営業向けの「DealOn:World Leading Deal Execution AI」(以下、DealOn)と、エグゼクティブ層向けの「CXOn:World Leading AI Assistant for Executives」(以下、CXOn)の2つのAIソリューションを提供開始予定だ。
角田氏は「個人的にはなるべく早く各業務向けのAIソリューションを出したいと思っている。来年度中には一通りのソリューションをそろえられたら」とコメントしていた。
2030年度までに、LegalOn Technologies(法務領域)とOn Technologies(その他の領域)で売上構成比それぞれ50%を目指すとしている。
営業遂行AI「DealOn」
DealOnは受注までの営業プロセスを一貫してAIが遂行する。人が営業活動する代わりに、AIが稼働するのだという。これを実現するために、AIに任せる安心感を得られるようなダッシュボード機能を提供する。
AIだけで完結できない業務に関しては、AIが人の作業を促すアラートを発出する。これにより、人は人がやるべき業務だけに集中できるようになる。
LegalOn Technologiesでは7月から自社開発のAI営業アシスタントを試用しているという。先行機能として、営業担当者のメール返信を代替する機能を試したところ、33%の人が「7割以上のメールで修正の必要性がない」、67%が「9割以上のメールで修正の必要がない」と回答した。この結果から、営業活動に支障のない文章生成が実現できたことが確認された。
例えば、ユーザーからの「機能を使用したいがアイコンが出てこない」というメールに対し、AI営業アシスタントがすぐにアイコンを表示する手順を自動返信する。ユーザーは迅速に課題を解消できる上、営業担当者はメール返信の業務が削減された。
11月から一部ユーザー向けにクローズドベータ版を提供開始し、年度内に正式版のサービスを開始する予定だ。
エグゼクティブ向けAIアシスタント「CXOn」
CXOnは経営者やマネジメント層といったエグゼクティブの時間を拡張し、思考と意思決定と行動を最大化することをコンセプトとしている。
「AIを秘書のように利用する既存サービスは複数あるが、当社のプロダクトはエグゼクティブが必要とする専門性や体験に特化することにノウハウを詰め込んでいく」と角田氏は紹介した。
年内にベータ版の提供を開始予定。
独Fides TechnologyをM&A
さらに、ドイツ ミュンヘンを拠点にガバナンスサービスをグローバルに展開するFides TechnologyがM&Aによってグループに参画したことが発表された。LegalOn Technologiesにとって初の100%のM&Aとなる。
Fides Technologyはグローバル100カ国以上において、企業のガバナンスに関する業務をAIで一元化、自動化するテクノロジーを提供している。
近年は企業の複雑な法人構造やESG対応、各国の規制強化を背景に、ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)市場は年平均15%前後の成長が見込まれている。Fides Technologyのガバナンス機能をLegalOnに統合することで、契約リスクだけでなくコンプライアンスリスクのマネジメントまで一貫して支援可能なリーガルプラットフォームの構築を目指す。






