リコーは10月3日、オンプレミス環境で導入可能なリコー製700億パラメータのLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)に、金融業に特化した業務内容や専門用語を学習させた「金融業務特化型LLM」を開発したことを発表した。
金融業で利用される融資稟議書のドラフトを自動生成するDifyアプリケーションも開発し、10月末より個別提供を開始する。なお、これらのサービスは今冬をめどに、リコージャパンが提供する「RICOH オンプレLLMスターターキット」に搭載し、金融業向けのAIパッケージとして提供する。
銀行や保険会社など金融業界では、生成AIを活用した業務効率化や生産性向上の取り組みが進んでいる。一方で、金融業務には長年の経験で培われた専門知識や、複雑な金融商品を扱うための高度な専門知識が必要であり、顧客の多様なニーズに応じた個別対応も求められる。
さらに、金融機関で扱う情報資産には、業界特有の言い回しや複雑で多様な図表が多く含まれ、AIによる利活用が難しいことから、暗黙知(個人の経験や勘、身体感覚などに基づいて形成される、言語化や図式化が難しい知識やノウハウ)への依存による業務の属人化が課題とされる。
リコーはこうした課題に対して、金融用語を事前学習し、金融業で扱う各種図表の読み取りが可能なLLMやDifyアプリケーションを活用することで、融資稟議書作成など業界特有の業務をAIで支援するという。
暗黙知を形式知化することで、過去の類似案件の検索や文書作成に要する時間を削減し、個人の経験やスキルに左右されがちな記載内容のバラつきを解消する。組織全体の業務品質向上と情報資産のさらなる有効活用を支援するという。さらに、AIによる支援で削減された時間を営業活動や顧客対応に活用することで、顧客満足度の向上も期待できる。