Windows Centralは9月26日(現地時間)、「OpenAI’s ultimate AGI test - solving quantum gravity」において、真のAGI(汎用人工知能)の達成を認める条件として量子重力問題の解明が使えるのではないかというOpenAI CEOのSam Altman氏の発言を紹介した。英国の物理学者 David Deutsch氏もこの意見に同意したという。
量子計算理論の専門家も理解を示す
AGIとは、人間と同等あるいはそれ以上の知的能力を持ち、幅広い課題に対して自律的に理解・学習して解決できる人工知能のことである。未知の状況にも柔軟に対応し、多様な環境や目的に応じて自ら行動方針を選択できるという点が従来のAIとは大きく異なる。
AGIの達成条件についてはさまざまな意見がある。人間のような創造性や意識を備えることを必須とする立場もあれば、知識の統合や汎用的な問題解決能力を示せば十分とする考え方もあり、現在でも明確な合意には至っていない。
Sam Altman氏は、もし数年後にGPT-8が量子重力の問題を解き、その問題に取り組んだ過程や経緯を説明できたとすれば、それは単なる言語モデルではなく真正な知性を示したことになると主張している。つまり、量子重力の問題の解明というきわめて困難な課題を、真のAGIが達成できたかどうかの基準として位置づけるという提案だ。
Altman氏の発言は、量子計算理論の先駆者であるDavid Deutsch氏との対談の中で飛び出した。Deutsch氏も、Altman氏の意見に理解を示し、この新しいベンチマークがAGIの決定的なテストになり得ると語ったという。
GPT-8が量子重力問題を解決できるのか?
量子重力の問題は、現代物理学における最も困難な問題のひとつである。数十年にわたってさまざまなアプローチで解明が試みられてきたが、まだ決定的な理論は得られていない。もしもGPT-8のようなAIモデルがこの問題を解くことができれば、確かにAGIと呼ぶのにふさわしい功績と言ってもいいだろう。
ただし、そもそも現在のAIモデルの延長であるGPT-8が量子重力問題を解決できるのかという疑問がある。また、もしも本当に量子重力問題を解決できたとしても、本当に汎用的な問題解決能力を得たのか、そうではなく単に物理学にとくに精通しているだけなのかを見極めなければ、真のAGIとは呼べないかもしれない。
Altman氏自身も、AGIの実現には単なる性能向上を越えたハードウェア/ソフトウェアの設計変革が不可欠だと語っている。LLMの躍進でAGIの輪郭はようやく現れ始めたが、到達への道のりはなお長く険しそうだ。
