三菱電機は、企業活動におけるウェルビーイング向上に寄与するという新サービス「エモコ分析サービス」を10月から法人向けに提供開始。集中度や眠気度といった人の感情を可視化した「感情推定データ」、体動数や睡眠レベルなどのバイタルデータ、温度/湿度/CO2濃度を含む環境データを活用し、働き方改善や最適なオフィス環境の構築などにつなげられるという。

  • エモコ分析サービスの概要

    エモコ分析サービスの概要

同サービスで配信する「感情推定データ」は、バイタルセンサー「エモコアイ」を搭載したマルチモニタリングデバイス「エモコセンサーユニット」で取得したデータを、三菱電機の独自アルゴリズムを用いて「エモコ分析クラウド」上で分析したもの。

これまで主観で説明されることが多かった人の感情を可視化した「感情推定データ」を、環境データなどとあわせて、クラウドAPI経由で最短1分毎に配信。集中度や眠気度といった人の状態にあわせた、新たなサービスの開発や既存製品・サービスの価値向上を可能にし、幅広い分野でのウェルビーイングの向上に寄与するとしている。対象者の負荷なく、自然な状態のバイタルデータを非接触・非装着で取得できるのも特徴だという。

  • エモコセンサーユニット。24GHzドップラー式の「エモコアイ」と温湿度センサー、CO2センサーを備え、無線LAN(2.4GHz帯)接続とUSB-C給電に対応する。エモコアイの測定可能距離は0.5〜5m(用途に合わせて範囲内で調整可能)。本体サイズは145×38×43mm(幅×奥行き×高さ)、重さは110g

    エモコセンサーユニット。24GHzドップラー式の「エモコアイ」と温湿度センサー、CO2センサーを備え、無線LAN(2.4GHz帯)接続とUSB-C給電に対応する。エモコアイの測定可能距離は0.5〜5m(用途に合わせて範囲内で調整可能)。本体サイズは145×38×43mm(幅×奥行き×高さ)、重さは110g

三菱電機はこれらのデータの活用例として、従業員の集中度合いを出社時/在宅時で比較し、よりよい働き方となる出社頻度を提案したり、生産性の高い時間帯や座席による違いなどを特定したりすることで、最適なオフィス環境を構築できると説明している。

サービスの利用には、エモコセンサーユニットの導入と、データ利用契約が必要。個々人の状態を把握するには、対象人数にあわせたユニットの導入が必要となる。医療目的で使うことはできない。

同ユニットは、製造元であるFCLコンポーネントとの共同開発品。ユニットに搭載しているエモコアイには、人体に電波を送信して心拍変動による反射波との周波数変化を脈信号に変換するドップラーセンサーを装備している。

  • オフィスワークの生産性や環境把握用途での設置例(左)。右は個人別の情報表示例

    オフィスワークの生産性や環境把握用途での設置例(左)。右は個人別の情報表示例

  • 仕事中の集中度計測例

    仕事中の集中度計測例

同サービスで配信可能な主な項目は、以下の通り。

  • 環境データ:温度、湿度、CO2濃度、不快指数
  • 感情推定データ:集中度、眠気度、活性・緊張度
  • バイタルデータ:体動強度(体動数)、呼吸強度、脈拍数、在不在判定、LF強度(Low Frequency:低周波成分のパワースペクトルの合計量)、HF強度(High Frequency:高周波成分のパワースペクトルの合計量)、睡眠レベル、睡眠スコア
  • エモコセンサーユニットのさまざまな設置イメージ

    エモコセンサーユニットのさまざまな設置イメージ

  • エモコ分析サービスの活用想定領域

    エモコ分析サービスの活用想定領域

三菱電機は、同社製ルームエアコン「霧ヶ峰」の2023年2月発売モデルにエモコアイを搭載し、風のあたり方に対して人が感じる快・不快に応じて気流を調整するなど、家庭における快適性の向上を追求してきた。

個々人の状態を把握し最適な環境を提供する感情推定技術は、ルームエアコンだけでなく幅広い分野での応用が期待されており、同社では霧ヶ峰で培った技術を活用して、小型かつ設置自由度の高いエモコセンサーユニットを開発。人の感情を客観的な感情推定データとして提供可能にした。

将来的には、三菱電機のデジタル基盤「Serendie」(セレンディ)を活用し、感情推定技術(感情センシング)による、さまざまな事業領域や場所で得られる人の感情推定データを社内外の製品・サービスと連携させることで、新たな価値の創出に取り組み、社会課題の解決に寄与するとのこと。