急速に進化するデジタル環境の中で企業がメインフレームの役割を再定義する状況が明らかになった。企業はスキル不足や規制対応の課題に直面しながらも、柔軟なモダナイゼーション戦略を採用し、大規模にAIを活用してハイブリッドIT環境におけるメインフレームの利用を強化しているという。米Kyndryl(キンドリル)が9月16日(現地時間)に明らかにした。
メインフレーム上でのモダナイゼーションで288~362%のROIが報告される
同社は、今回で第3回目となる年次調査「メインフレームモダナイゼーション状況調査レポート」の結果を発表した。調査は500人のビジネス・ITリーダーを対象に実施し、モダナイゼーションプロジェクトのコストは減少し、投資利益率(ROI)が向上していることが明らかになった。
現在、メインフレーム上でのモダナイゼーション、クラウドとの統合、または他のプラットフォームへのワークロードの移行といった取り組みにおいて、288~362%のROIが報告されているという。また、回答企業の80%が過去1年間で市場動向、地政学的動向の変化、新たな規制、新技術に適応するために、メインフレームのモダナイゼーション戦略を見直している。
さらに、AIの位置付けが将来の検討事項から現代のビジネス推進力へと変化したことも判明し、回答企業の約90%がメインフレーム上で生成AIを導入完了、または導入を計画中と回答。回答者はAIと生成AIの活用で今後3年間で約130億ドルのコスト削減と約200億ドルの収益増加が見込まれると予想している。
加えて、AIは労働力全体のスキルギャップの解消にも役立ち、半数以上(56%)がハイブリッド環境におけるAIの新たな高付加価値の役割を見出し、過去1年間でプラットフォームの利用が増加したと回答。
米Kyndryl コア・エンタープライズ グローバル プラクティスリーダーのハッサン・ザマト(Hassan Zamat)氏は「メインフレームは、AIを活用したハイブリッド戦略の中核として、数十億ドル規模の収益を生み出すと同時に、お客さまのイノベーションを後押ししています。企業はより実践的なアプローチでモダナイゼーションを進め、優れたビジネス成果の創出と新たなテクノロジーの導入を推進しています。適切なパートナーと連携することによって、回復力を備え、将来を見据えたプラットフォームを構築することができます」と述べている。
また、モダナイゼーションの成功には、メインフレームと新技術の両方に精通した人材の確保が重要になっていることも明らかになり、実際に70%の企業がマルチスキルの人材の確保に苦戦し、74%がモダナイゼーションを推進するためにサードパーティのプロバイダーを利用し続けている。
そのほか、回答者の94%は自社のモダナイゼーション計画が規制遵守に大きな影響を受けており、モダナイゼーションの意思決定において、依然としてセキュリティが根本的な懸念事項であると述べている。同調査は、企業がこれらの課題への対応を進める中で、メインフレームが依然として最も重要な技術基盤であり続けていることを示しているとのことだ。