
マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行に伴い、75歳以上の後期高齢者医療制度と自営業者らが対象の国民健康保険の多くで従来型の健康保険証が7月末で有効期限を迎えた。マイナ保険証を持たない患者が通常の1~3割の窓口負担で診察を受ける際は「資格確認書」を使う必要がある。ただ、厚生労働省は混乱を避けるため、期限切れ保険証での受診も26年3月末まで認める。
マイナ保険証は、窓口のカードリーダーで本人確認を行うのが特徴だ。医師らが薬の処方歴などを共有できるメリットがあるものの、利用率は今年6月末時点で3割程度にとどまる。このため厚労省は、受診頻度の多い75歳以上の後期高齢者医療制度の加入者全員にマイナ保険証の有無にかかわらず、資格確認書を送った。
厚労省はマイナ保険証と資格確認書の両方を保有することは原則として認めていない。しかし、保険局幹部は「後期高齢者の中には政府のマイナポイント付与キャンペーンでマイナ保険証への登録を済ませたものの、医療機関の窓口で暗証番号入力や顔認証を使えない人も少なくないはず。
混乱回避のため全員に資格確認書を送った」と説明する。市区町村が運営する国保では保険証が7月31日から順次期限を迎える。サラリーマン向けの健康保険組合では12月1日が期限となっている。
それでも高齢者らの間で混乱も予想されることから、期限切れの従来型保険証のみを持参した場合でも、記号番号を確認できるため、26年3月末までは通常の負担割合で保険診療を受けられるようにする措置も講じる。
医療現場では通常、患者が保険証を忘れた場合でも後日持参することを条件に保険診療を受けられる。期限切れ保険証での受診を認めるという措置は一見、当たり前のように見えるが、先の幹部によると、「厚労省が公式に有効な保険証なしでの受診を認める通知を出すのは今回が初めてだ」という。