インターネットでは、匿名で活動できると思われていることから(技術的には、個人を特定することが可能だが)顔も知らない人による誹謗中傷など、現実世界とは異なる問題「ネットいじめ」が起きている。

匿名性がそうさせるのか、面と向かっていたらとても言えないような侮辱的な言葉や脅迫が日常茶飯事で行われている。

ESETは公式ブログ「welivesecurity」において、半端な真実、神話、誤解がネットいじめの実態を歪めているとして、検証してみせた。ESETが挙げた、ネットいじめの誤解は次の通りだ。その中からいくつかピックアップして、ポイントを紹介しよう。

  1. オンラインで起こったことはオンラインにとどまる
  2. いじめは子どもが成長過程で行うもの
  3. 無視すれば終わる
  4. 子どもは親に問題を教える
  5. テクノロジーを取り除けば問題は解決する
  6. ネットいじめの加害者特定はほぼ不可能
  7. 発見しやすい
  8. ネットいじめは邪悪な人間
  9. ネットいじめは自殺を引き起こす
  10. 原因はソーシャルメディアプラットフォーム

(1)オンラインで起こったことはオンラインにとどまる

ESETは、ソーシャルメディアなどのデジタルプラットフォームは、いじめをより広範囲に拡大させる可能性があると指摘している。

いじめはオンライン上に限定されるものではない。いじめっ子はオンライン上だけでなく、現実世界でも被害者を苦しめたいと思っているかもしれないが、彼らが与える精神的ダメージは、被害者の現実世界にも確実に影響を与えるという。

(2)いじめは子どもが成長過程で行うもの

ESETは、いじめを子どもが成長過程で当然行う行為として片付けてしまうことは、いじめの潜在的な重大性を軽視することになりかねないと指摘している。なぜなら、いじめは、いじめられている人の社会的・情緒的発達に長期的な深刻な影響を及ぼす可能性があるからだ。

また、ネットいじめの実態は荒らし、個人情報の開示、リベンジポルノ、ストーカー行為など、子どもの問題にとどまっていない。

(3)無視すれば終わる

不快な言葉をかけられた場合など、対策として「無視」する人も多いだろう。しかし、ESETはネットいじめの対策として、無視は滅多に効果がないと述べている。無視すると、加害者は自分の行動が効果的だと思い込み、かえって勇気づけられてしまうことがあるという。

ロシアの少女がユニセフの公式サイトに書き込んだように、一致団結して行動し加害者に直接立ち向かうことにのみ、解決の希望があるとしている。

(4)テクノロジーを取り除けば問題は解決する

ネットいじめはテクノロジーによって可能になるが、子どものスマートフォンを没収したからといってなくなるわけではないという。

例えば、学校でいじめられている場合、オフラインでも嫌がらせが続く機会は十分にある。ESETは子どもからスマートフォンを取り上げることは、いじめっ子を喜ばせるだけと指摘している。

(5)ネットいじめの加害者特定はほぼ不可能

前述したように、インターネットは匿名の世界と言われており、名乗ることなく利用できる。しかし、ソーシャルメディアなどのデジタルプラットフォームでは、嫌がらせやいじめによって利用規約に違反したことが証明された場合、特定のユーザーの身元を明らかにできる。

(6)原因はソーシャルメディアプラットフォーム

ソーシャルメディアやメッセージングプラットフォームは、ネットいじめを助長しているとして、しばしば非難されている。

しかし、立法者によって、エコシステムの監視を強化するよう、ますます強制されているという。例えば、英国のオンライン安全法は特定のオンラインサービスプロバイダーにユーザーの幸福を確保する「注意義務」を課している。

また、アルゴリズムはニュアンス、スラング、言語的特異性を正確に検出する能力が向上している。そのため、これまでは検出が難しいとされていたネットいじめも明るみに出る可能性が高まっている。