Futurum Groupは8月22日(米国時間)、「The AI PC Segment’s Glaring Software Problem - Futurum」において、Copilot+ PCに代表されるAI搭載PC(以下、AI PC)が抱える課題と市場開拓のヒントについて伝えた。

生成AIがオンラインサービスとして登場して以来、WebアプリからクラウドサービスまでAIの活用の幅は広がっている。PC市場においても次世代PCとしてAI PCへの期待は高まっているが、その高性能なハードウェアスペックを存分に発揮するAI体験を提案できておらず、市場が価値に疑問を持ち始めていると危機感を伝えている。

  • The AI PC Segment’s Glaring Software Problem - Futurum

    "The AI PC Segment’s Glaring Software Problem - Futurum" Photo:PIXTA

ハードウェアの準備はできた、だがソフトが足りない

AI PCの代表的な存在のCopilot+ PCは、NPU(Neural Processing Unit)と呼ばれるAI専用のプロセッサを搭載している。この高性能なプロセッサは小規模言語モデル(SLM: Small Language Model)を動作させる能力があり、Microsoftは複数のSLMを動作させることで、複数のAI機能を提供している。

Copilot+ PC以外では、ハイエンドのGPUを搭載したコンピュータからもAI機能を利用することができる。ハイエンドのGPUはNPUを凌駕するAI処理能力を提供することができ、「gpt-oss」などのオープンモデルの利用や、画像の生成などが可能となっている。

しかしながら、オープンモデルなどを実際に稼働させるには専用の環境を構築する必要があり、幅広いユーザーが簡単かつ安価に利用できるわけではない。MicrosoftはCopilot+ PC向けにいくつかのAI機能をで提供しているが、これらを除くと一般ユーザー向けにリリースされた高付加価値のAIソフトウェアは乏しい状況にあると言える。

Futurum Groupはこの準備の整ったハードウェア環境とソフトウェア不在の乖離した状況が、AI PCベンダーにとってリスク(投資の喪失)と指摘。今後速やかに魅力的なAIソフトウェア(機能)を提供できなければ、AI PCは買い替え需要を満たすだけで終わる可能性があると訴えている。

AI PC市場を創り出す、今がその分岐点

Futurum Groupは次のように述べ、リスクを取ってでも今すぐにAI PC市場を活性化させるべきだとしている。

「ソフトウェアベンダーと独立系ソフトウェアベンダー(ISV: Independent Software Vendor)は、貴重なAIワークロードをクラウドに置いたまま慎重に運用を継続するか、リスクを取って市場に約束されたオンデバイスの「キラーアプリ」を投入するかを決定しなければなりません」

Windows 10 PCの買い替え需要のピークが直近に迫っており、今すぐにAI PCの魅力を提供できなければ新しい市場を失う可能性がある。逆にネット接続不要で動作する高付加価値のAIアプリを提供できれば、そのベンダーは新しいPC市場の主導権を握る可能性がある。Futurum GroupはユーザーもAIエクスペリエンスを渇望していると述べ、各ベンダーに積極的な取り組みを提案している。