楽天グループは8月8日、2025年度第2四半期の決算を発表し説明会を開いた。連結業績での売上収益は前年同期比11.0%増の5964億円と、第2四半期としては過去最高額を達成した。一方、親会社の所有者に帰属する四半期損益は前年同期のマイナス336億円からマイナス510億円へと拡大した。
「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天カード」「楽天銀行」「楽天モバイル」「楽天シンフォニー」など主要事業は好調としており、「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントにおいて前年同期比で増収となった。
連結Non-GAAP営業利益は同319億円改善し、第2四半期では2019年度以来の黒字化となる。EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えた利益)は同364億円増の1032億円、これも第2四半期として過去最高額。
インターネットサービスはコアビジネスが増収をけん引
インターネットサービスセグメントにおける売上収益は前年同期比6.8%増の3245億円、Non-GAAP営業利益は同8.0%増の191憶円で、堅実に成長した。なお、マイノリティ投資事業で保有している一部銘柄の評価損を計上した結果を含めると、同10.5%減の141億円となる。
国内におけるEC事業は楽天市場と楽天トラベルが増収に貢献した。国内ECの流通総額は、利用者数の伸長を背景にショッピングECの流通総額が拡大したほか、トラベル事業も成長し同4.7%増の1兆4877億円に。また、6月に実施した物流事業の料金改定も損益改善に寄与したという。
このセグメントにおけるNon-GAAP営業利益には、楽天市場をはじめとするコア事業に加え、物流事業における料金改定による損益改善も寄与し、同7.5%増の231億で着地した。
「国内EC全体で流通総額を上回る売上成長率、売上を上回る営業利益成長率を達成しており、事業としての収益性が高まっている」(三木谷氏)
楽天モバイル契約者は非契約者と比較して楽天市場の平均年間流通総額が47.6%高いことから、モバイル事業などとシナジーを高め流通総額の拡大と利益成長を図る方針。
フィンテックは楽天カードと楽天銀行が好調
フィンテックセグメントにおける売上収益は前年同期比14.8%増の2327億円、Non-GAAP営業利益は同12.2%増の434億円で増収増益。楽天カードの会員基盤および客単価の拡大と、楽天銀行の金利収益増加がセグメント全体の増収に寄与した。
楽天カードはショッピング取扱高が同10.2%増の6.5兆円、楽天銀行は単体口座数が1700万口座を突破し、預金残高が11.7兆円に達した。運用資産の積み上げに加え、日銀の政策金利の引き上げにより金利収益が大きく伸長。四半期として経常収益および経常利益のいずれも過去最高となった。
楽天証券の証券総合口座数は新NISAを契機とした顧客基盤の拡大を受け、2025年6月末時点で同10.9%増の1256万口座を突破した。営業収益は四半期として過去最高の同7.9%増の356億円を達成したが、取引関係費や金融費用などの増加により営業利益は2.1%減となる8.8憶円。
三木谷氏は「営業利益は国内株式の取引量拡大を受けたコスト増により減少しているが、収益源は株式のみならず信用取引、債券、FXなど多様化しているため、四半期のブレの範囲内」だと説明した。
モバイルは早期に1000万回線を目指す
モバイルセグメントにおける売上収益は、前年同期比18.1%増の1121億円。Non-GAAP営業利益は169億円改善したものの、トータルで370億円と赤字が継続した。EBITDAは同216億円増となる96憶円。楽天モバイルの契約回線数および正味ARPU(Average Revenue Per User:ユーザー当たりの平均売上高)の上昇、楽天シンフォニーにおけるメイン顧客へのソフトウェア納入により増収となった。
楽天モバイル単体では売上収益が同33.5%増の906億円、Non-GAAP営業利益は139億円改善しマイナス389億円を計上。EBITDAは契約回線数の増加と正味ARPU向上により、191億円増の56億円と2025年通期のEBITDA黒字化に向けて順調に進捗した。
第2四半期末時点の楽天モバイル全契約回線数は897万回線となり、前四半期と比べ39.3万回線の純増を達成した。その要因としては、春商戦終了に加え、他社一部キャリアの料金改定の影響もあり解約率が減少したことがある。なお、7月末時点では908万回線を突破しているそうだ。
三木谷氏は「下半期には純増ペースをさらに加速させ、早期に1000万回線突破を目指す」と述べた。
また、楽天モバイルはさまざまな業種に特有な課題の解消を支援するため、介護、ホテル、飲食店、小売、医療の各業界に特化したテーラーメイド型のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービスを開始するとのことだ。





