富士通、日立製作所、NECの3社は7月29日~同31日にそれぞれ2025年度第一四半期の決算を発表した。本稿では各社の決算状況をお伝えする。なお、2024年度通期の決算まとめ記事も参考までにご覧いただきたい。
増収増益のNEC
まずは7月29日に説明会を開催したNECからだ。同社の2025年度第1四半期の実績は、売上収益が前年度比3.7%増の7157億円、調整後営業利益は前年度から290億円増の417億円と、増収増益を達成。Non-GAAP営業利益は前年度から237億円増の400億円と、前年度比約2.5倍となった。
セグメント別で見ると、国内のITサービスは増益で売上収益は前年度比3.9%増の4393億円、調整後営業利益は5.1%増の301億円。好調な要因としては、BluStellarを中心に収益向上施策の効果が発現しており、受注も引き続き高水準を維持していることがあるという。
一方の海外のITサービスの売上収益は、KMDで低収益事業の収束により4.7%減の減収。しかし、前年度の構造改革費用の剥落により調整後営業利益においては3.5%増の65億円で着地している。一方、2025年度の業績予想は4月28日から変更なく、売上収益は前期比1.9%減の3兆3600億円となっている。
富士通は増収で着地
次に7月30日に発表した富士通。連結合計での売上収益は、前年同期比1.2%減の7498億円、調整後営業利益は各セグメントで増益となり、同185億円増の351億円、四半期利益は新光電気工業の売却益を計上したことで同1548億円増の1717億円と過去最高益を更新した。
富士通 代表取締役副社長 CFOの磯部武司氏は「第2四半期以降の今年度に受注獲得を予定している商談パイプラインの規模は、前年比で115%を上回る水準に拡大している。デリバリーリソースの確保に多少の心配はあるが、しっかり対処しながら着実な受注拡大につなげる」と述べている。
成長ドライバーと位置付けるサービスソリューションは、前年同期比130億円増の5146億円、特に国内でDX(デジタルトランスフォーメーション)やモダナイゼーションの商談が伸長し、前年から6%の増収となった。
調整後営業利益は478億円と前年から128億円の増益、国内売上の伸長によるグロスマージンの増収に加え、採算性の改善が進捗し過去最高益を記録した。
Fujitsu Uvanceは、受注高が前年同期比184億円増の1276億円、売上収益は同502億円増の1467億円、内訳はVertical領域が69%増、Horizontal領域が44%増となった。サービスソリューション全体に占めるFujitsu Uvanceの売上構成比は、前年同期の19%に対し、今期は29%まで拡大している。
ハードウェアソリューションは欧州での為替変動や一部の売上計上基準を見直した影響もあり、前年同期比264億円減の2021億円だったが調整後営業利益はコスト効率化などの影響により、同50億円増の13億円と増益だった。
一部苦戦もDX/GX需要拡大で好調な日立
続いては、7月31日に説明会を実施した日立製作所となる。同社の第1半期における売上収益は前年同期比2%増の2兆2583億円、親会社株主に帰属する四半期利益は1922億円で増収増益となり、調整後EBITA(Adj. EBITA)は2375億円と過去最高値を達成した。
セグメント別でみると、エナジーでは、パワーグリッド事業における送電網設備の更新や再生可能エネルギー電源接続などの需要が好調。また、モビリティではタレスの鉄道信号関連事業を買収した影響に加え、信号システム案件も堅調に推移したことから、両領域で当初の計画以上の売上収益に到達。年度見通しもそれぞれ上方修正を行ったという。
一方、DSS(デジタルシステム&サービス)とCI(コネクティブインダストリーズ)については、前年比でわずかに売上収益が減少。国内事業は堅調に成長しているものの、米国関税の影響で海外事業ではストレージ事業を筆頭に苦戦を強いられているが、今後の拡販強化や営業活動の効率化、コスト低減などの施策を推進することから、目標は据え置きとされた。また、CIについては、中国での新設需要が減少した昇降機事業などを背景に減収減益となったが、半導体製造装置事業などの事業で収益性を改善した。
稼ぎ頭”として注力するDX支援事業(Lumada事業)では、エナジーを中心に拡大を継続。売上収益は前年から54%増加し、連結業績に占めるLumada事業の比率が41%まで向上した。ただし、同社は2025年度よりLumada事業の区分見直しを行っており、前年比増加額の半分程度が、この区分見直しによって新たにLumada事業の対象とされたものとのこと。



