SB C&Sは、デスク上に置けるサイズのパーソナルAIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」を7月23日から取り扱い開始。「NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip」を搭載しており、個人利用から研究・産業用途まで幅広いAI開発ニーズに対応する。

  • パーソナルAIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」

    パーソナルAIスーパーコンピューター「NVIDIA DGX Spark」

NVIDIA DGX Sparkは、膨大なデータ処理とAIの開発・実行を両立するために最適化したNVIDIAの高性能AIインフラ「DGX」と、分散処理基盤「Apache Spark」を組み合わせたAIコンピューター。従来はAI開発と大規模データ処理が別々のシステムで行われていたが、同製品ではこれらを単一の統合基盤で高速かつ効率的に処理できるのが特徴で、AIモデルの学習から推論まで一貫した運用が可能になる。

多くの企業では、システム間連携にかかる工数や時間の削減、維持管理の煩雑さやコスト増加が課題となっているが、NVIDIA DGX Sparkは個人のワークスペースでエンタープライズレベルのAI開発能力を実現でき、複雑なシステム構築なしで短時間で高精度なAIを構築可能。AI開発のファーストステップや検証のハードルを下げられるとする。

同製品はNVIDIA Grace Blackwellアーキテクチャを採用し、最大2,000億パラメータの大規模AIモデルや、AIワークロードをローカルで実行可能。1,000 AI TOPSのAI推論性能を備え、2台のDGX Sparkを接続するとLlama 3.1(最大4,050億パラメータ)を扱える。本体サイズは150×150×50.5mm(幅×奥行き×高さ)、重さ約1.2kgというコンパクトサイズで、100V電源対応により、設置や持ち運びもしやすくした。

  • NVIDIA GB10 Superchipを搭載

    NVIDIA GB10 Superchipを搭載

NVIDIAのAIソフトウェアスタックを標準搭載し、AI構築に必要な各種ツールを提供。クラウドや「NVIDIA DGX SuperPOD」へのスケールアウトも容易に行える。さらに、AIに最適化した高速ネットワーク「NVIDIA ConnectX」により、データ転送やシステム連携の効率化も図った。デスクトップでもサーバールーム並みのパフォーマンスを発揮でき、設置場所に制約のある研究者や研究所、初期投資のコストを抑えたい教育・医療機関、製造・金融業など、多様な業種への導入を見込んでいる。

  • 2台のDGX Sparkを接続すればLlama 3.1(最大4050億パラメータ)にも対応可能

    2台のDGX Sparkを接続すればLlama 3.1(最大4050億パラメータ)にも対応可能

主なスペックは、CPUがNVIDIA GB10 Grace Blackwellスーパーチップ(10 Cortex-X925 + 10 Cortex-A725 Arm)、グラフィックスがNVIDIA Blackwell GPU、メモリが128GB LPDDR5x(ユニファイドメモリ)。ストレージは自己暗号化ドライブ(NVMe M.2)で、1TBまたは4TBから選べる。OSはNVIDIA DGX Base OS、Ubuntu Linux。インタフェースは10ギガビット有線LAN×1、USB Type-C×4、HDMI 2.1a×1などで、無線LANはWi-Fi 7対応。

なおSB C&Sは、販売パートナーやエンドユーザーを対象に、「NVIDIA DGXTM Spark」活用シーンの紹介や活用のメリット、SB C&Sの販売支援体制などを解説するWebセミナー「未来を切り拓くAIインフラ革命:NVIDIA DGX Sparkの全貌」をZoomで開催する。開催日時は8月22日15時〜15時50分(接続は14時50分から)、参加費無料で定員100名。申込方法などの詳細は特設サイトを参照のこと。