GSユアサグループのジーエス・ユアサ テクノロジーは、「第5世代宇宙用リチウムイオン電池」の開発と、実用化に向けた体制構築の推進にあたり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する宇宙戦略基金事業に採択されたと7月17日に発表した。

  • 宇宙用リチウムイオン電池(セル)

詳細は以下の通り。

  • 技術開発テーマ:衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証
    (A)衛星サプライチェーンの課題解決に資する部品・コンポーネントの技術開発
  • 技術開発課題名:第5世代宇宙用リチウムイオン電池開発および実用化体制構築
    • 量産化技術の検討
    • 安全性に関する検討
    • 寿命予測モデルの構築
  • 実施期間:2025年4月7日~2030年3月31日(予定)

ジーエス・ユアサ テクノロジーは1998年に初代の宇宙用リチウムイオン電池を開発して以来、JAXAと連携して4世代にわたり、電池の高性能化を継続的に推進してきた。現在開発中の第5世代では、さらなる高エネルギー密度化に加えて、ユーザーのニーズの多様化にも応える電池を実現するとしている。

同社の宇宙用リチウムイオン電池は、2000年代初頭に軌道上での宇宙実証が行われて以来、これまでに国内外250機以上の人工衛星などの宇宙機に採用されている。今回の基金を活用し、新世代の宇宙用リチウムイオン電池開発と実用化体制の構築をめざす。

同社では「宇宙における国産バッテリーの確保は、需要が大きい技術領域であり、日本が世界に伍する重要技術。そのため、競争力強化と経済安全保障に資する観点でも研究開発の意義があり、期待が寄せられている」とし、「量産化や短納期化に向けた品質保証基準の見直しなど、各種技術開発で得られる量産化に伴う品質保証ノウハウは、今回の技術開発に限らず、国内のさまざまな技術開発にも役立てられるとの評価を得て採択されたもの」とコメントしている。