NTTドコモビジネス(旧:NTTコミュニケーションズ)、NTTドコモソリューションズ(旧:NTTコムウェア)、東芝は7月16日、東芝府中事業所において、NTTドコモソリューションズが提供する「プラントコラボ」と東芝が提供する「ToruMeter」を連携させ、設備の保全・点検業務での人為的ミスの低減や作業の効率化、省人化を図る実証実験を実施した結果を発表した。
実証の背景
製造業における工場などの現場では老朽化する設備の稼働率を維持するため、常に設備の点検作業が欠かせない。しかし、現場では作業員の高齢化に伴う人材不足や技術の継承が課題となっており、点検業務の効率化が求められる。
従来の点検作業では目視での数値確認や手作業での帳票入力が必要であり、作業時間や管理コストの増大、作業員の入力ミスなどが問題となっていた。そこで今回の実証では、実際の工場における点検作業時に使用する複数のシステム間の連携や、AI画像認識技術を活用して、点検作業の効率化を実現するための検証を実施した。
実証の概要
実証は東芝府中事業所において実際の点検作業を想定し、コンプレッサーの点検作業で「プラントコラボ」と「ToruMeter」を電子帳票システム「i-Reporter」経由でリアルタイムに連携させ、取得したデータから自動で点検結果を記載した帳票を作成。作業結果を時間や場所を選ばず閲覧可能とする機能を検証した。
加えて、AI画像解析技術を用いて1枚の写真画像からコンプレッサーのメーターが示す数値情報を取得することで目視での点検作業を削減し、業務効率化への効果を確認した。
実証の結果
実証の結果と、システム間で即時に情報連携を行い、管理者が遠隔地にいてもリアルタイムで作成した帳票や作業ステータス・経過を閲覧でき、業務効率化が可能であることが確認された。
また、メーターの数値を撮影した画像が証跡として記録されるため、従来は作業員と確認者の2人での現地作業が必要だったが、作業員1人での点検が可能であることも確認された。これらの結果は点検作業のコスト削減への効果につながるものだという。